眠っていた1枚が驚きのお宝に!?アナログな「デジタルトレカ」の可能性

カードに「空想レンズ」アプリをかざすと絵柄が動いて見える
カードに「空想レンズ」アプリをかざすと絵柄が動いて見える

 デジタルトレカや音楽ストリーミングが普及する一方、物理的に収集できるトレーディングカードやCDなどの人気はまだ根強い。しかし、購入したグッズを自宅に眠らせてしまうコレクターも少なくないだろう。そんな中、ギークス株式会社がリリースしたARアプリ「空想レンズ」と〝半デジタル〟のトレーディングカード「ミライトレカ」のテクノロジーは、既存の製品に後からデジタルコンテンツを結びつけ付加価値を生み出すことを目指している。

 「ミライトレカ」とは、専用のARアプリ「空想レンズ」を起動したスマートフォンをかざすと、絵柄が動いて見える動画や音声コンテンツが再生される、リアルとデジタルと掛け合わせたトレーディングカード。「空想レンズ」は新商品だけでなく、デジタルコンテンツを後付けした既存の商品にもAR技術を適用することができる。

 ミライトレカの企画を担当するx-Tech事業本部長・川野尚吾氏は「コレクターと呼ばれる方々が手元に常にそれ(トレカ)を持っておきたいというニーズは今のところ残り続けている」と、〝完全デジタル〟ではなく実体のあるカードの必要性を説明。続けて、「ただし、それらは買って終わってしまっているという実情がある」と現状を分析した。

 「例えばアイドルのCD、レコード、ポスターを大事にお持ちのファンの方々はずっとそのパッケージを部屋に飾り続けたりしているんですが、そこに情報の更新性が乏しい状態なんです」。同社のAR技術はトレーディングカード以外にも、古いCDやファングッズにも応用できる。川野氏は、過去の製品が再びファンを新鮮に喜ばせる可能性があると期待する。

 古くなったものをバージョンアップさせ、価値を高める「アップサイクル」の動きはSDGsへの貢献にもつながる。川野氏は「うまくデジタルを絡めていくことで、もっと長く使い続けよう、大切に持ち続けようという意識や、ゴミとしてではなく、むしろ昔買ったものを欲しい人がもっと増えていく世界になったらいいなと思います」と語っていた。

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