梅雨が明け、いよいよ夏本番。夏といえば海、プール、スイカに花火…と楽しい風物詩が盛り沢山ではあるが、中には少し困ったものもある。そう…それは「生ゴミ」。
キッチンの三角コーナーに少し放置していただけなのに、暑さで腐敗して悪臭を放つ生ゴミ。ひどいときは小バエまで飛んできて、処理をするのもひと苦労。夏の生ゴミの処理については読者の皆さんも一度は悩まされたことがあるのではなかろうか。
そこで今回、微生物の力を借りて生ゴミを発酵・分解するという「コンポスター」を自作した。ハードルが高いイメージがあったが、なんと家にある段ボールや、百均にある道具だけで簡単に製作することができた。
【コンポスターとは?どうして段ボールで作れるの?】
コンポスターとは、コンポスト(堆肥)を作るための道具のことを言う。色んなタイプのコンポスターがあるが、今回は手軽に始められる、段ボールタイプのコンポスターを製作した。
段ボールの中へ腐葉土と米ぬかを入れ、野菜くずなどを入れると、腐葉土の中にいる微生物が米ぬかに含まれる栄養分を使って活動し、生ゴミを発酵させてくれるのだ。発酵すると発酵熱が発生し、その熱の高温によって病原菌が死滅または不活性化する。つまり、あのイヤ〜な生ゴミの匂いの原因になる菌の発生を防ぐことができるのだ。しかも、ガーデニング等に使える肥料まで完成する。
段ボールが容器に適している理由は、よく空気を通すためである。生ゴミを分解する微生物は空気を好む性質を持つので、風通しのいい段ボールの中だと分解が進みやすいのだ。また、水分が蒸発しやすいため腐敗菌が発生しにくい。
では、早速、段ボールコンポスターを作るのに必要な材料と、手順を説明していこう。
〈材料〉
・段ボール
・ガムテープ
・腐葉土(DAISOカブトムシ育成マット2袋)
・新聞紙、またはキッチンペーパー
・米ぬか
・スコップ(撹拌用)
・ゴム手袋
・発泡スチロールで出来たブロック(DAISOブロック2個)(段ボールの底の風通しを良くするために使用)
・小バエ避けのネット(DAISO防虫ネット)
〈手順〉
①まずは、DAISOで買ってきたカブトムシ育成マットを新聞紙の上に薄く広げ半日ほど天日干しにする。新聞紙の上に土を広げると、なんとも懐かしい香りにノスタルジーを誘われる。故郷に帰りたいなぁ…。
②気を取り直して、土を干している間に段ボールを補強する。ガムテープで目張りをして、底に新聞紙またはキッチンペーパーを敷く。水分を吸収してほしいので、段ボールの壁に沿わせるようにキッチンペーパーを貼り付けた。上フタは立てて、ガムテープで固定する。
③干し終えた土と米ぬかを5:3くらいの割合で混ぜていく。スコップで何杯分、と数えると楽。米ぬかはスーパーにもあるが、沢山使うのでお米屋さんへ買いに行くのが吉。
④コンポスターを設置する場所を決めて、ブロックを置く。20℃〜60℃で発酵が進みやすくなるため、今回はカンカン照りのベランダに置く。湿度が高い場所は水分が蒸発しにくくなるため、おすすめしない。ブロックの上に段ボールを乗せる。
⑤土の中へ、生ゴミ(野菜くずや肉、卵の殻などです)を入れて撹拌する。生ゴミは水気を切って、最初は少量から。
⑥段ボールの上から防虫ネットをかければ、段ボールコンポスター完成!防虫ネットをきちんとかけないと、ハエが卵を産み付けて蛆虫等が発生してしまうので忘れないようにしよう。
コンポスターが完成したら、一日に最低1回は撹拌するようにする。習慣にしてしまえばこちらのもの。ソシャゲのログインのようなものだ。また、様子を見ながら生ゴミを追加していく。入れすぎて悪臭がする場合は生ゴミの量が多すぎる場合があるので調整する。一週間経てば、大体すっかり堆肥になるらしい。
毎日、撹拌し続けること一週間…無事に堆肥が出来上がった!不思議なもので、腐敗臭はない。肥料の匂いがする!
今回、コンポスターを作ってみて、作る前は「本当に上手く生ゴミが分解されるのか?」と不安だったが、成功して嬉しい。生ゴミを入れすぎないのがコツのようだ。何より、キッチンでの悪臭と無事おさらばできて本当に有り難い…!皆さんもぜひ、この夏はコンポスト作りに挑戦してみてはいかがだろうか。