東京五輪の開会式に作曲担当として参加することが発表されているミュージシャンの小山田圭吾が16日、自身のツイッターを更新。過去に音楽雑誌や書籍で告白した、障がい者とされる同級生らにいじめを繰り返したことについて「深い後悔と責任」と謝罪した。一方で過去の告白記事については「事実と異なる内容も多く記載されております」と一部を否定し、五輪参加についても辞退しない考えを示した。
小山田は1994年1月発行の「ロッキング・オン・ジャパン」と95年8月発行の「クイック・ジャパン」で、いじめを赤裸々に告白。小学校時代、同じクラブ活動をしていた、障がい者だという同級生に体育倉庫で暴力を振るうなどしたことや、中学時代には朝鮮学校から転校していた同級生にも「一緒に遊んでいた」としながらいじめ行為を行っていたことを明かしていた。さらに「今考えるとほんとヒドかった。この場を借りて謝ります(笑)」「一緒に遊んでたからな。あやまるっていう程でもないかな」などとし、深い反省の意は示していなかった。
今月14日に東京五輪開閉会式の製作・演出チームが発表され、小山田は開会式の作曲担当に就任。直後から過去の「いじめ告白」がネット上で話題となり、小山田の起用について反対する声が多く上がっていた。
こうした流れを受け、小山田はツイッターで謝罪文を公開。「東京2020オリンピック・パラリンピック大会における楽曲制作への私の参加につきまして、多くの方々を大変不快なお気持ちにさせることになり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます」とした。
さらに「ご学生時代のクラスメイトおよび近隣学校の障がいを持つ方々に対する心ない発言や行為を、当時、反省することなく語っていたことは事実であり、非難されることは当然であると真摯に受け止めております」と認め、「深い後悔と責任を感じております」とつづった。
当該記事の内容については「事実と異なる内容も多く」と一部を否定。それでも「そういった過去の言動に対して、自分自身でも長らく罪悪感を抱えていたにも関わらず、これまで自らの言葉で経緯の説明や謝罪をしてこなかったことにつきましても、とてもおろかな自己保身であったと思います」と自己批判も行った。
五輪開会式への参加については「依頼を辞退すべきだったのかもしれません」としつつ、「課題も多く困難な状況のなか、開会式を少しでも良いものにしようと奮闘されていらっしゃるクリエイターの方々の覚悟と不安の両方をお伺いし、熟考した結果、自分の音楽が何か少しでもお力になれるのであればという思いから、ご依頼を受けるに至りました」と説明。「そのうえで、今回の音楽制作にあたりましては、自分なりに精一杯取り組んで参りました。それは、私だけではなく、他のクリエイターの方々も同様であると思います。故に、私の慣用により、開会式に不快な印象を与えてしまうことを心から申し訳なく思います」と、辞退する考えはないことを示した。