令和の異世界探訪 美しすぎる終末的世界観の廃墟写真が話題「みんなでこっそり大事に廃ろう」

あんどう美紗子 あんどう美紗子

まるで異世界を探索しているかのような独特のテイストを持った廃墟レトロスポットの写真がSNS上で大きな注目を集めている。

件の写真たちを撮影するのはuraEMONさん(@EMON51983792)。

その目を奪われずにいられない退廃的な美しさにSNSユーザー達からは

「オーシャンビュー(物理 」

「窓の写し方好きすぎます」

「私も是非行ってみたい!」

など数々の絶賛のコメントが寄せられている。

uraEMONさんにお話を聞いてみた。

筆者:uraEmonさんが廃墟探索を始めたきっかけをお聞かせください。

uraEmon:廃墟探索を始めたのは2004年ですが、当時私は東京に住む大学生でバイク乗りでした。今に比べ情報は少なかったのですが、よくある大学生的なノリで心霊スポットや廃墟のことを調べ始め、ときどき行くようになっていました。

そんな頃、たまたま友達と奥多摩周遊道路へツーリングに行くと、栗原亨氏の運営する廃墟情報サイト「廃墟explorer」で知った奥多摩ロープウェーの巨大な鉄塔に気付いて、勢いで中に入りました。緑に包まれ、時の止まった時計もゴンドラもあるロープウェーはとても美しく見えました。「それほど遠くない昔に家族連れでにぎわった場所がこんな風に…」と終末的世界観を感じ、それ以来、廃墟探索、昭和スポット探訪にハマるようになりました。

筆者:終末的世界観、なんとも惹かれる響きです。廃墟やレトロスポットの魅力についてさらに詳しくお伺いできますか?

uraEmon:私が廃墟やレトロスポットに感じているのは終末的な様相や21世紀の令和とは思えない前時代感です。同じ日本にいながら異世界探索しているように感じられます。毎年、毎季節ごとに変わる廃墟や慰留物の表情や、数年越しのまた会えた時の朽ち具合には懐かしさも混じって、「まだ生きててくれたんだねぇ、また会えて嬉しいよ」と言ってしまいます。

一方で、おそらく他の廃墟界隈の方もよく言われているのですが、廃墟は日々の自然崩壊や荒らしの脅威に晒されており、一年どころか数日で様相が変わる時があります。山口県にある地球儀がある廃校では、私が訪れた数日後には校長室にあった地球儀が外に放り出されていたとTwitterで知りました。すごく残念です。

別の廃校ではみんなから愛されている人体模型や地球儀もいて、同じ場所同じものであってもSNSやブログの写真を見かけるたびに他の慰留物とのコラボや配置に変化があるのが魅力でもあります。

昭和レトロスポット、商店街や銭湯なんかも、時代の流れというか経済事情というかで年々減っているように思えます。2年前に熱海のストリップ劇場へ友達と行った時は、週末なのに開演時間を過ぎても観客が自分たち二人しかおらず、はじめてなのにかぶりつき席というかステージ下に座らされ、昭和ストリップショーなるものを見ました。思っていた以上にエロくなくてむしろダンスやショー、舞台芸術のように私は感じました。

ショーが終わった後は踊り子さんとのトークタイムになり、その時に印象的だったのが、「風営法があるから新規開設は無理だし、年々お客さんも減るしオリンピックもあるからストリップはあと10年ももたないかもしれない」という言葉でした。

筆者:uraEmonさんが投稿されていた「廃墟やレトロスポットは一期一会」というお言葉が印象に残っています。

uraEmon:ネットやSNSで偶然知ってしまって、「あぁ行ってみたいなぁ。来年の夏休みでもいこうかなぁ」なんて思っていたら、明日にも永遠に失われてしまうような気がして、決してJR東海の回し者ではありませんが週末になると「そうだ廃墟へ行こう!」となってしまいます。

筆者:uraEmonさんのご投稿には多くのコメントが寄せられています。今回の反響へのご感想をお聞かせください。

uraEmonさん:一言でいうと、「みんなでこっそり大事に廃ろう。」 入ると廃るをかけています。

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uraEmonさん関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/EMON51983792

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「月日とともに朽ち、年月と共に消えるものは僕らを待たずに去ってしまう。今から、追いかけよう」とuraEmonさん。

廃墟やレトロスポットには有限であるが故の美しさがあり、我々を魅了してやまない。ただし、廃墟探索には危険が付き物である。廃墟探索を行われる際には安全性や法律について十分確認し、くれぐれも自己責任でお願いしたい。

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