団塊の世代約800万人が後期高齢者となり「大相続時代」の到来が予想されている。中でも、複雑な手続きやコミュニケーションを要するのが「実家」の相続。株式会社すむたすはこのほど、いわゆる「実家じまい」について、親世代(60~89歳)と子世代(30~59歳)合わせて224人を対象に親子間コミュニケーションの実態を調査、結果を公表した。
調査によると、実家の処分について、全体の72.1%が「会話したことがない」と回答。理由は親子ともに「まだ具体的に考えていないから」がトップ。次いで「話し合う必要性を感じていなかった」が親子ともに多かった一方、子世代では「話し合うきっかけがない(17.6%)」「何から話してよいか分からない(12.9%)」と、必要性を感じながら話し合いを開始できないでいる人がやや多い傾向も見られた。また、話し合いを開始した人の中でも、より具体的な内容へ移行した人は6.6%と、事前準備の難しさや心理的ハードルの高さが浮き彫りとなった。
帰省について尋ねると、この1年で実家に帰省した子世代の7割以上は、親や実家に何らかの変化を感じている。最も多かったのは「両親の身体能力の変化:足腰が弱くなった、忘れっぽくなった等(55.6%)」、次いで「実家の老朽化(33.3%)」、「実家の整理整頓状況:物が溢れている、片付けられていない等(25.9%)」となった。
今後の住まいについて、親世代の75.9%が「今の家に住み続けたい」と回答。子世代の46.8%が「今の家に住み続けて欲しい」、35.1%が「特に希望はない」とする一方で、12.6%が「利便性や安全性が高い住まいへ移ってほしい」、8.1%が「自身や兄弟と同居してほしい」などの希望を持っている。
また、親世代が逝去後の住まいの処分方法については親世代・子世代共に「売却」がトップだったものの、親世代の30.6%が「子どもや親族に住んで欲しい」と回答。一方「自身が住みたい」と回答した子世代は13.5%と、親子間でのギャップが見られた。
実家の処分に向けては、親世代の約38%、子世代の約29%が何らかの準備を始めている。準備についての希望は、子から親が「不要品の整理・処分(31.5%)」、親から子が「相談に乗って欲しい(13.9%)でそれぞれ最多だった。