akiya_b

管理職はコスパが悪い!?「残業代がつかなくなる」「責任だけ増える」収入がどう変わるのか比べてみた【FPが解説】

夢書房 夢書房

会社員のAさんは、課長への昇進を上司から打診された。課長になると、仕事の進め方も自分の裁量で決められると聞き、悪い話ではないとAさんは思った。ただ、昇進すると今とは働き方が大きく変わるため、その場では返事をせず、一晩持ち帰って考えることに。 

その夜、「課長にならないかって話が出た」と家族に伝えると、返ってきたのは「え、管理職になると、残業代がつかなくなって損するんじゃないの?」という一言だった。言われてみれば、管理職になるとそれまでとは残業代の扱いが変わると聞いたことがある。

これによって「肩書きや、やりがいの面では魅力的だけど、手取りが減るのは困る…」と、Aさんは頭を抱えるのだった。実際、管理職になると収入にどういった影響が出るのだろうか。ファイナンシャルプランナーの齋木正則さんに話を聞いた。

役職手当と残業時間の見込みをもとにシミュレーションを

ー残業代が支給されなくなることで、年収ベースでどれくらいの差が出るケースが多いのでしょうか?

残業代がなくなる影響は、会社の役職手当の金額や本人の残業時間によって大きく変わるため、一概にはいえません。ただし民間企業の調査では、正社員の平均残業時間は月20時間前後、厚生労働省の統計では月10時間程度という数字が出ています。仮に月20時間ほど残業していた人なら、本来もらえていたはずの3万〜4万円が昇進により、まるごとなくなる計算です。

一方、課長になると役職手当により収入が月5万〜6万円ほど増えるのが相場です。係長からの昇進なら、その差額はわずか数万円にとどまるケースも多いでしょう。

ただし、昇進による収入への影響は職種によっても大きく変わる点には注意が必要です。たとえば営業職の場合、管理職になると営業インセンティブ(歩合給)がなくなるため、収入が下がりやすい傾向にあります。

また、事務職など歩合給のない仕事なら、こうしたインセンティブが影響しない分、昇進による基本給や役職手当、ボーナスの増加がそのまま年収に反映されます。そのため、収入が減るとは限りません。そもそも残業代は景気に左右されやすく、不況になれば減ってしまう可能性があります。

ー仮に年収は同じくらいでも実際に働いた時間で割ると、平社員より管理職の方が時給は低くなりますか?

管理職になると残業代が出なくなる一方、労働時間はむしろ増える人は少なくありません。年収を実際の労働時間で割った「実質時給」で比べると、昇進前より下がってしまう場合もあります。

とくに、部下の管理や業務範囲が増えて残業が常態化している場合は要注意です。さらに、管理監督者(労働基準法で残業代の対象外とされる管理職)に該当すると、残業時間の上限自体がなくなります。気になる場合は、就業規則で自分の働き方が社内でどう扱われるか確認しておくと良いでしょう。

ー昇進前に上司に確認しておくべきポイントはありますか?

まず、昇進後の役職手当の金額を具体的に聞いておきましょう。あわせて、残業代の扱いがどう変わるのかもしっかり確認するのも大切です。また、想定される労働時間や、部下の人数・業務範囲も聞いておくと良いでしょう。

こうした条件は口頭だけでなく、できれば書面やメールで残してもらうと安心です。あとから「聞いていた話と違う」などのトラブルに発展しないよう、事前の確認が欠かせません。

また、昇進後の手取りが平社員時代を大幅に下回る水準であれば注意が必要です。「名ばかり管理職」(肩書きは管理職でも、実際の権限や給料が一般社員とほとんど変わらない状態)に該当しているかもしれません。

この場合は、労働基準監督署や弁護士・社労士に相談すれば、これまでの残業代を請求できる可能性があります。

◆齋木正則(さいき・まさのり) ファイナンシャルプランナー
2019年に広島のファイナンシャルプランナー集団「NEOLIFE」を設立。20年以上の金融機関での経験と資格を活かし、業務にあたる。お金や資産運用についてのセミナー講師回数も多数。
▽NEOLIFEホームページ
https://neolife-hiroshima.com/

よろず〜の求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース