デビュー作となるゴシックミステリー小説「Wildwood」を手がけた作家アシュリー・ウー氏が、米バーモント州の歴史ある農家に移住した際に遭遇した「心底血の凍るような恐怖体験」と、それが執筆に与えた影響を明かした。
ウー氏は2019年12月、夫と2歳の娘、生まれたばかりの息子とともにマサチューセッツ州の郊外からバーモント州の農村部へ移住。購入した物件は1830年築で、道路を挟んだすぐ向かいに墓地がある歴史ある建物だった。移住当初は穏やかに過ごしていたものの、やがてゲストルームとして整えた「バラ色の壁の部屋」で不可解な現象が始まる。
ピープル誌の取材に応じたウーによると、不眠症に悩まされていたある夜、気分転換のためにその部屋で横になったところ、身体に異変が起きた。「誰もいないはずなのに、姿の見えない何者かの両腕が私の胸を強く締め付けているのを感じて目が覚めた」と振り返る。当初は金縛りや悪夢だと言い聞かせたものの、後日再びその部屋で眠った際にも全く同じ現象が発生したという。
3度目の体験では亡き祖母の夢から覚めた直後に同様の抱擁を受けたが、ウー氏は「祖母だとは思わないし、邪悪な存在とも思わない。脳の錯覚かもしれない」と分析。その後、寝室としての使用はやめたものの、恐怖に立ち向かうため同室に執筆用デスクを設置した。
不気味な体験をインスピレーションに変えたウー氏は同部屋でデビュー作を完成。「あの恐ろしい体験には感謝している。自分に小説が書けるという確信と、壁には記憶が宿るという発想をもたらしてくれた」と締めくくっている。