本業とは別に収入を得る副業。月数万円でもプラスになれば、と取り組む人も多いだろう。株式会社ビズヒッツの運営するBiz Hits副業マッチングサービスはこのほど、月3~5万円程度の副業収入を得た経験がある男女261人を対象にアンケートを実施、結果を公表した。
どんな副業をしていたかを尋ねたところ、原稿執筆などの「ライティング(18.8%)」が最も多く、「フリマアプリでの物販(15.7%)」「飲食店スタッフ(8.4%)」「軽作業スタッフ(5.4%)」「データ入力(4.2%)」と続いた。全体的に、身近で取り組みやすく、損失を負うなどのリスクが少ない副業が選ばれている。
副業を見つけた方法では、「知人の紹介(24.5%)」が最多。「ネット検索(17.6%)」「クラウドソーシング(13.8%)」「求人サイト(12.6%)」「SNS(11.5%)」と続いた。もっとも多かった「知人の紹介」は、友人や家族から副業先や副業のやり方について紹介されることで、安心して副業をスタートできるのがメリットだ。クラウドソーシングや求人サイト、SNSで探す場合、数多くある副業の中から自分がやりたいものを選べるのがメリットだが、実際にやってみるまでどんな副業かわかりにくいといったデメリットもある。
「副業収入を稼ぐうえで大変だったこと」のダントツは「時間を確保する(36.0%)」で、2位は「収入が不安定(17.2%)」だった。本業やプライベートと両立しつつ、副業に割く時間を確保するのは難しいこともある。「体力的にきつい」という声もあり、時間を捻出しようと夜間・早朝の作業や勤務などをすると、体調不良にもつながりかねない。
「収入の使い道」では、「生活費を補填する(54.4%)」が圧倒的で、全体の半数を超えた。「貯蓄する(16.9%)」「趣味に使う(11.1%)」「投資に回す(6.5%)」「美容に使う(5.0%)」と続いた。大別すると「生活の補填」「将来への備え」「楽しみのため」の3つになり、複数の使い道を挙げていることが多く、副業で得たお金はさまざまな用途に活用されている。
独立系ファイナンシャル・プランナー井上美鈴氏の話「月3万~5万円の副収入は、生活費の補填だけでなく、教育費や老後資金づくりにも大きく役立ちます。しかし、生活費が足りないからと副業に走る前に、固定費の見直しや公的制度の活用などで家計を改善できる場合は少なくありません。副収入を前提にしてしまうと、辞めたくても辞められなくなるリスクもあります。副業は『稼げるか』だけでなく『続けられるか』で選ぶことが、失敗しない副業選びの鍵です。また、睡眠不足による体調不良や本業のスキルアップ機会の損失、確定申告の手間や税金の増加といった“見えないコスト”にも注意してください。家族が応援してくれ、自分も無理なく楽しめる副業こそ、長く安定した副収入につながると感じています」