フリーで活動するイラストレーターの実情「スリリングですね」月により100万円近い収入差

松田 和城 松田 和城

 アニメ、マンガ、ゲーム、vtuberなどの日本ポップカルチャーを支えるイラストレーター。有名なイラストレーターは企業に所属しているケースが多く、その方が収入も安定しているイメージがあるだろう。しかし“フリーランス“として活動しているイラストレーターも少なくない。今回は東京ビックサイトで4月14日から16日まで行われた商談展示会クリエイターEXPOで、漫画家兼フリーランスイラストレーターのくじらじーお氏に話を聞くことできた。同氏は「スリリングですね」と、フリーランスイラストレーターの実情について明かした。

月によって100万近い差も!

 やはり一番気になるのは収入面だ。くじらじーお氏はフリーランスの最大の特徴として収入にムラがある、と話す。「10万しか稼げない月もあれば、100万円稼げる月もあります。特に繁忙期の4月は一番稼げますね」。企業に所属しているイラストレーターは企業側が定期的に案件を取ってきてくれることもあり収入の安定性が生まれる。しかし、フリーランスは能動的に動かなくてはならない。それは自分で仕事を選べるという「メリット」でもあるのだが、極論で言うと仕事が1つもない危険性を抱える「デメリット」があるということだ。

コロナ禍での苦悩

 その収入を稼ぐためにどうやって仕事を得るのか。「こういった場所(クリエイターEXPO)に参加していろんな企業さんと商談する機会を自ら作らないといけません。企業に所属しているイラストレーターと逆で、自分から関わらないと先細ってしまう」と説明した上で「コロナによって企業が主催するパーティーも開きにくくなり、そういった機会が減ってしまっている」とコロナ禍での悩みを打ち明けた。

 今後の目標について問うと「鬼滅みたいなコンテンツをつくりたい」と明るい口調で意気込んだ。企業に所属している、いないに関わらずイラストレーターとしての本望は人々を喜ばせる、笑顔にさせる物を創りたいこと。くじらじーお氏からは、根底にある“作り手”の思いが伝わってきた。

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