兵庫県の斎藤元彦知事(48)が28日、県庁での定例会見で、27日に関西学院大法学部の授業で行った講演について「学生さんも県政に対する理解を深めていただいて、かつ若者の自由な発想による意見や提案をいただいた。大変気持ちのこもった、いい提案だったというふうに思いますので、改めて学生さんや関係者の皆さまには感謝を申し上げたい」と振り返った。
斎藤氏が登壇した授業をめぐっては、同大学の法学部長がX(旧ツイッター)で「斎藤知事は記者会見で関学から招待を受けた旨おっしゃってますが当学部はこの件について機関決定した事実はありません」「県知事のパフォーマンスのために関西学院大学法学部が利用されている気持ちがして不愉快」「争いを大学に持ち込まないで欲しい」と異議。斎藤氏の県政運営に反発するデモ隊などが押し寄せ、キャンパスが混乱することを危惧した。SNS上でも賛否が分かれた。
授業は当初、関学大西宮上ヶ原キャンパスで対面で行われる予定だったが、抗議デモなどを懸念した大学側は形式を変更。斎藤氏は別のキャンパスからオンラインで参加し、報道陣にも非公開となった。
記者団から「先週(19日)の会見で、授業のゲストスピーカーという形で招かれているはずなのに、大学から招かれていると受け取られるような事実と違う発信をしたことが、誤解を招いて騒ぎになったのでは」と指摘された斎藤氏は「今回のミーティングについては、法学部の教員からということですけれども、大学の授業の一環として、そして単位認定もされるという授業。こちらとしては大学側から地方自治体の政策の現状を学ばせたいという依頼を受けて実現したというもので、そのように説明させていただいた」として、自身の発信に問題はないとした。
斎藤氏は、講演がオンラインになるなどの混乱についても「我々は関西学院側からの依頼に基づいて今回の会をさせていただいて、実施のやり方についても先方のご意向を踏まえて対応してきた」と強調。SNSでの紛糾についても「私は詳細は承知していませんのでコメントは差し控えますけれども」とし「学生さんとの意見交換、本当に有意義でしたし、学生さんと私の間でいろんな政策に関する対話ができたということは、大変素晴らしかった」と繰り返した。