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石破前首相が激白!SNS影響の選挙に危惧「短い動画で伝える政治は限界…政策で評価を」 高市首相の回答とは

深月 ユリア 深月 ユリア
自身の事務所で取材に応じ、選挙におけるSNSの功罪などについて語った石破茂前首相==東京・永田町の衆議院第二議員会館
自身の事務所で取材に応じ、選挙におけるSNSの功罪などについて語った石破茂前首相==東京・永田町の衆議院第二議員会館

 近年、選挙結果がSNSに左右されるという現象が起きている。自民党の圧勝となった2月の衆院選でもその傾向が如実に表れたが、歴代の首相はどのように考えているのか。ジャーナリストの深月ユリア氏が書面で高市早苗首相に質問状を送り、石破茂前首相には単独取材で思いを聞いた。

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 高市早苗総裁が率いる自民党が圧勝した2月の衆議院選挙で、高市政権はSNSを多用。首相の演説動画は累計で約1億6000万回再生されたと報じられている。選挙におけるSNSの影響力は年々増大しているが、一部の候補者に対する誹謗中傷やデマ流布も問題視されている。そこで、筆者が高市首相に対して書面で、自民党総裁としてのSNS運用指針について質問したところ、次のような回答が返ってきた。

 「民主主義社会において、政治的意見を自由に表明できることは重要なことであり、尊重されるべきと考えています」。一方で「もとより、偽・誤情報を拡散することや誹謗中傷を行うことが許されないことは当然です」とも記され、表現の自由と情報の質の両立が必要であるとの認識を示した。

 さらに高市首相は選挙におけるSNS利用について「表現の自由や政党などの選挙運動、そして政治活動の自由等に関わる問題であり、幅広く、慎重に議論していく必要がある」としたが、具体的な規制や対応には踏み込まなかった。また、「党としては、平素から、インターネット選挙運動に関する注意喚起、偽・誤情報への注意喚起を行っています」とした。

 高市首相は、かねて広告宣伝に重きを置いてきた政治家である。たとえば2024年の自民党総裁選では、高市氏の政治団体が、宣伝目的で8000万円超を支出していたことが政治資金収支報告書より明らかになっている。一方、同じ総裁選で勝利した石破茂氏の宣伝広告費はわずか42万円にとどまった。そんな石破氏に、高市政権と石破政権の広告戦略の違いに関する考えを聞いた。

 石破氏は、高市氏サイドの8000万円を超える支出額を聞くと、驚きを隠さなかった。その上で、石破氏は「SNSを活用すること自体を否定するつもりはありません。ただ、短い動画で伝えられる政治には限界があります。政治というのは、本来、時間をかけて説明し、理解してもらうものだというのが私の信条です」との考えを示した。

 今回、石破氏自身のSNS発信も話題となり、有権者の愛犬と触れ合う様子や、鳥取砂丘でラクダのかぶり物を着けたショート動画には「石破さん、面白い」「かわいい」「癒される」といった声が多く寄せられた。そのことについて、石破氏は「どんな動機に基づく一票も一票です。犬と仲良くしようとしたり、被り物を被ったイメージで一票を入れる方もいるでしょう」と語り、続けて「私自身というより、スタッフが一生懸命努力してくれた。被り物動画もそうです。それは本当にありがたい」と感謝も口にした。

 しかし、石破氏の本音は「ただ、私自身は、そういうものよりも、政策で評価してほしかったという気持ちはあります」というものだった。

 今回の衆議院選挙では、石破政権で閣僚を務めた村上誠一郎議員、岩屋毅議員など、中国と対立するよりも、現実的な外交政策を主張している議員に対して「中国のスパイ」「媚中」「中国のハニートラップに引っかかっている」など様々なデマが匿名の投稿者らによってネット上で流布した。石破氏はこのようなデマに関して、「村上さん、岩屋さんが媚中ということはありません」と語気を強め、改めて明確に否定した。

 デマや誹謗中傷は時折、異なる意見や議論を封鎖するような「空気」をつくる。石破氏は「自民党の綱領にある『自由闊達(かったつ)な議論をする』という言葉は、自民党が負けて野党になった時に、『色々な立場の意見に耳を傾けないと、国民政党とは言えないよね』という反省からつくられたものです。そうやって、3年3か月の野党時代の間に反省と変革を積み重ねて、与党に戻った。その経験があったからこそ、今の自民党があるのです」と指摘。改めて自民党綱領にもある「理念」の大切さを説いた。

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