シニア世代の就労支援サービスなどを手がける株式会社BEYOND AGEはこのほど、20代と50代の社会人計1005人を対象に「生成AIの業務活用実態」に関する調査を実施、結果を公表した。
「生成AIの使用経験」について、20代の約6割が「ある(59.2%)」、50代では約4割が「ある(39.4%)」と回答。約20ポイントの開きがあり、デジタルネーティブ世代とそうでない世代との差がみられた。
「使ったことがない理由」では、両年代とも「操作が難しそう/わからない」が最も多かったが、2位以下は20代で「誤情報が出そうで信用できない」「人の手でやった方が正確」など、AIそのものへの不審が目立ち、慎重姿勢だったのに対し、50代では「使い方を教えてくれる人がいない」「どのツールを選べばいいかわからない」など導入環境が整っていない回答が上位に挙がった。
利用頻度や利用時間についても、「ほぼ毎日」「30分~1時間未満」が最も多かった20代に比べ、50代は「週1日程度」「30分未満」が最多で世代間ギャップがみられた。
どのような業務で生成AIを使用しているかでは、20代の上位は「アイデア出し・ブレインストーミング(39.3%)」「文章の要約・作成(38.9%)」「メールやチャット文の下書き(38.5%)」。50代では「文章の要約・作成(64.9%)」が突出し、「データ整理や分析補助(28.6%)」「ネット検索の代替(28.6%)」が続いた。20代が思考や創造の支援としてもAIを取り入れているのに対し、50代は比較的単調な業務で作業負荷を軽減する目的が中心だった。
どの生成AIツールを使用しているかについては、「ChatGPT」が両世代で活用率が高かった。「Google Gemini」や「Microsoft Copilot」など大手企業系ツールもそれなりに使われているが、比較的新しい生成AIツールについては、20代での利用率が50代の約3~5倍以上と大きな差があった。
「生成AIに対する懸念点」について尋ねたところ、両世代とも「情報漏洩やセキュリティーリスク」「特に懸念はない」「誤情報や信頼性の低さ」が挙がった。
「生成AIに関する支援ニーズ」については、20代で「業務に使えるプロンプトやテンプレートの提供(34.5%)」が最多となり、50代では「生成AIの基本的な使い方に関する研修・eラーニングサービス(43.3%)」が最も多かった。20代にとっては、すでに生成AIの基本的な操作は身についており、より実務に役立つ具体的な活用ノウハウや、効率的に使うための方法を求めている段階にあると考えられる。一方、50代は、そもそもどう使うのか、どこで何ができるのかという基礎的な学習機会に対するニーズが高く、入り口段階のサポートが不足していることがうかがえる。