なぜ、あの日の自分はあんなことを口走ってしまったのだろう。誰しもそんな経験はあるものではなかろうか。ずっと付き合ってきた恋人との別れのきっかけになったり、それで温めてきた友情が壊れてしまったり。
漫画家のこばやし少女さん(@girl__K)が明かしたエピソードもまた、そんな”何気なく言ってしまった一言”に関するものだった。
こばやし少女さんがある日、友達とファミレスに行った。その時、メニューを決めるのが早かったことで、友達に驚かれた。よくある話だが、そこで、こばやし少女さんは「私、味の想像できるものしか頼まないから」と決め台詞を言ったのだ。言ってしまったのだ。
それを友人たちは見逃さず、すかさず弄り倒してきたのだ。仲が良いゆえに、隙を見せたらネタにされてしまう。楽しい雑談では、あるあるな一場面だった。
しかし、そのネタは事あるごとに擦られるようになってしまった。あの時の一言が、こばやし少女さんを「味の想像できないものは食べないキャラ」に仕立て上げてしまったのだ。おいしくもあるが、これはキツい。もしも、あの時、あの言葉を言わなかったなら……。
ある日、こばやし少女さんがなにげなくプリングルスのよしもとカレー味を手に取った時、そんな時であっても、あの言葉は過ってきた。
もはや誰かが居ない状態であっても、セルフであってもその言葉は呪詛のように頭の中でぐるぐると周り、行動を咎めてきたのだ。これが言霊の力というやつなのかもしれない。
それでも、こばやし少女さんは強かった。己の呪詛を打ち破ったのだ。呪いを倒すのはいつだって人間の精神力。そう、過去は所詮過去なのだ。過去を打ち破った先の未来は、いつだって輝かしいのである。
さて、実際「味の想像できるもの」とはどんなものなのだろうか。今もちゃんと「味の想像できないもの」を食べているのだろうか。こばやし少女さんに話を聞いた。
ーー味の想像できるものとできないもので食べる比率はどちらが多いですか。
こばやし少女: 想像できるものが多いですね。安牌を選んでしまいがちです。ただ、友達と新しいお店に入る時や、かわったものがある時は、新しい味に挑戦することも多いです。
ーー味の想像できるものは例えばどんなものがありますか。
こばやし少女: これまで食べたことがあるものが、「味の想像できるもの」という意味合いです。コンビニでは「エビドリア」、ファミレスでは「たらこパスタ」しか食べない時期がありました。
ーー最近食べた味の想像できないものは食べましたか。
こばやし少女: 「マンボウのこわた焼き」です。海の近い地域で初めて食べましたが、コリコリしていて面白かったです!
ーー想像できないもののなかで一番食べたいものはなんでしょうか。
こばやし少女: 今は大阪万博に行った方の呟きで見た、チュニジアのクスクスが食べてみたいですね。国外の料理は知らないものが沢山あるので、色々挑戦したいです。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
こばやし少女: ささいな出来事ですが、たくさんの方に楽しんで頂けたようでよかったです。ありがとうございます。
また、うっかり出るイキり発言のようなものに共感してくれる方も多くて嬉しかったです。分かってはいるけどやってしまうクセって誰しもありますので、その場では反省しても、あとで笑い飛ばすくらいの気持ちも大事だと思います!
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生きていれば、やらかしは誰しもあるもの。それらひとつひとつを気にして落ち込むより、共に生きる道を探るほうが建設的なのだ。なお、こばやし少女さんは普段は純愛ラブコメ中心のマンガを制作している。いまなら無料で読めるので、この機会にチェックしよう。
こばやし少女さん関連情報
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「カタブツ系女子に告白してみた」(kindle):https://www.amazon.co.jp/dp/B0D4HQ9LDF
「鎧坂さんが可愛いのは俺だけが知っている」(kindle):https://www.amazon.co.jp/dp/B0D2VWBM2C