SBIホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長の北尾吉孝氏が7日、自身のフェイスブックを更新し、中居正広氏の性加害問題を発端にしたフジテレビ騒動についてコメントした。
北尾氏は「フジテレビを巡る騒動に思う」と題して文書を掲載。フジテレビ問題の第三者委員会の調査報告書を読んだ感想をつづった。
短期間で調査を行った第三者委員会に敬意を示した上で「元タレント中居正広氏の性加害疑惑の真相のみならず、フジサンケイグループの様々な問題を浮き彫りにされたことは、極めて大きな社会的意義があることだと敬服します。」とした。続けて「本調査報告書により、私のフジサンケイグループに対するイメージは激変しました。」と心境に大きな変化があったと説明した。
フジテレビを巡っては2005年に、村上ファンドや堀江貴文氏が率いるライブドアによるニッポン放送(当時はフジテレビの大株主だった)の買収騒動があった。この時、ソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)はフジテレビに協力。ニッポン放送の保有する13.88%分のフジテレビ株を、ソフトバンク・インベストメントが借り受ける形で対抗した過去がある。
北尾氏は「私は約二〇年前に、ライブドアによるニッポン放送買収劇でフジ側のホワイトナイトになった。」と説明。「当時は私のこの行動は大義のあるものだと信じていた。」と振り返った。
しかし、第三者委の報告書に目を通した上で「色々と私なりのリサーチをし、考え返してみたら、あの時ホワイトナイトをやるべきではなかったと思うに至った。」と明かした。「その最大の理由は、フジサンケイグループはこの二〇年殆ど進化しないで、現八十七歳の日枝久氏が四〇年もの間グループの実質的な代表として権力をほしいままにしてきたことだ。」と指摘。「日枝氏や彼の取り巻きは、放送メディアという極めて公共性の高い公開企業を長期に渡り経営し、企業価値の実体は不動産という状況を創出させてきた上、著しいコンプライアンス意識の欠如した企業風土を醸成してきた。」と厳しく断罪した。
さらに「堀江さんが経営していたら、メディアとネットの完全融合がなされ、進化した高収益会社になっていたと確信する。」とコメント。当時は敵対する形になっていた堀江氏についても高く評価していた。