立憲民主党の小沢一郎衆院議員が12日、事務所のX(旧ツイッター)を更新。石破茂首相が同日の参院本会議で、自民党の杉田水脈元衆院議員を参院選比例代表の公認候補に決めたことについて「評価は有権者が判断」と述べたことを受けて「社会人に不可欠な常識すら無い」などと苦言を呈した。
杉田氏は衆院議員だった2023年にアイヌ民族や在日コリアンへの差別的言動を法務当局から人権侵犯と認定された経緯があり、旧安倍派の派閥裏金事件で党役職停止6カ月の処分を受け、昨年10月の衆院選への立候補を見送っていた。自民党は今月9日の党大会で、杉田氏を参院選の公認候補予定者の1人として公表。石破首相は壇上で杉田氏と握手を交わし、手を挙げてアピールする同氏に拍手を送った。
小沢氏は石破首相の言動について「『我々は差別で人権侵犯認定された人物を公認した。選ぶも選ばぬも有権者の責任で、自民党は悪くない。全ては有権者の判断』と言っている。」と指摘し、「差別が横行する社会か、差別を無くそうと皆が努力する社会か。最後に選ぶのは、日本国民。」と問題提起した。
さらに、小沢氏は連続投稿。杉田氏の参院選公認に党内外から異論があるという報道を引用し、「自民が公認した理由は 今の自民党には、政治に不可欠な良識どころか、社会人に不可欠な常識すら無いということ。そんな党が政権与党ということが、この国の最大の悲劇である。この夏の選挙は国民の良識・常識が問われるものとなる」との見解を示した。
小沢氏は党大会での杉田氏擁立を受けた10日付のXで「石破総理は少しはマシなのではないか、と期待する人もいただろう。だが、これを見てそうした人々も言葉を失ったはず。自民党は完全に壊れた。失ったのは『良識』。だからこそ自民党は政権も失うべき」とポスト。11日付の投稿では「差別に苦しみ悩み、命まで絶つ人もいるというのに、そうした国民に寄り添うどころか、嘲笑い、とことん追い詰めようとする自民党。国際的にも恥ずべきこと。都議選、参院選は日本国民の『良識』が問われる選挙となる。」と訴えていた。