柚子農園に4足歩行ロボット!重い集荷かご背負い大活躍 農家の人材不足解消目指す 高知の2大学が共同開発

ゆきほ ゆきほ

4足歩行ロボを使用した柚子収穫の実証実験が進められている。

使用されたのは、動物のような軽快な動きが特徴で、傾斜地やデコボコ道での移動も可能な米国BostonDynamics社が開発したロボット「Spot」。音声の指示を受け、収穫場所とトラックを記憶し往復。収穫した柚子が入った重いカゴを乗せ果樹園を歩く姿は、楽しそうにも見える。

 このプログラムは、高知大学浜田和俊准教授チーム、高知工科大学栗原徹教授チームが共同で研究開発したもの。実験では30分間で250個もの柚子を運ぶ大活躍を見せた。放射線環境など危険な場所での作業も想定されたロボットだが、山で収穫カゴを背負い柚子の収穫を手伝う様子は何とも心が和む。高齢化や跡継ぎ不足で担い手が減る農家の救世主となるか。高知工科大学の栗原徹教授に話を聞いた

――なぜ柚子農家に四足歩行ロボットが必要なんですか?

栗原:高知県は中山間地域が多く、山の中に農業の現場があります。また園地は舗装されていないため凸凹も多く轍があったりします。そういった整備されてない環境での踏破性に期待して4足歩行ロボットが適していると判断しました。用途は柚子に限定されず、色々な作物に使えると思います

――研究に参加してる農家の方の反応を教えてください。

栗原:農家さんはこの日、初めて4足歩行ロボットを使いましたが、音声で命令するだけで動いてくれるので、その日からでも使えると反応いただきました。

――四足歩行ロボットの可能性について

栗原:今は農業の様々なシーンで使えるよう研究開発を進めています。近いうちに第2、第3の発表が出せると思います。車輪、クローラ、4足、2足とさまざまな移動形態があり、それぞれの特徴を生かした独自の用途が開発されていくと良いなと思います。

◇ ◇

今後は一度に複数台稼働させ、一気に効率よく収穫するシステム作りも目指す。更にロボットの導入で農家の負担がどれだけ軽減されたかを検証するため、作業中の心拍数の変化や腕・腰の動きの比較、分析も進めるそう。

Spotはすでに土木作業現場やトンネル工事などで活躍中。人材確保が課題になる時代、人の仕事を奪うではなく、人のパートナーとしてどれだけ連携できるか。今後に期待したい。

高知工科大学 情報科学群 教授 栗原徹
https://krlab.kochi-tech.ac.jp/kurihara/

よろず〜の求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース