「2ちゃんねる」創設者で実業家のひろゆき(西村博之)氏が16日、都内で自身が代表取締役社長を務める新会社「made in Japan(メイドインジャパン=所在地・石川県鹿島郡)」によるアパレルブランド「Mo,dein Japan」(モードインジャパン)の発表会見を行った。
バーナーの炎をTシャツにあてるひろゆき氏。Tシャツは焦げこそすれ燃えることはなかった。ナイフで切りつけても無事だった。繊維メーカー大手・丸井織物とタッグを組み、アラミド繊維(防弾チョッキや防刃チョッキに使用される繊維)100%で作られた「燃えにくい、切れにくい」最強の衣服を開発した。自身の配信時に着用する黄色いパーカーが、アラミド繊維が用いられたものだったことをきっかけに開発に着手。昨年配信された「世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた」(ABEMA)でナミビアの砂漠を歩いた際の服は試作品だったという。
新会社の目的は、日本の中で埋もれている技術力を掘り起こし、優れた技術力を有する企業とパートナーを締結し、新規ビジネスを開拓すること。「海外では日本製はそれなりに評価されているんですけど、日本人はあまり分かっていないんです。日本製のものというのを分かりやすくするため。すべてを日本でやっています」と、会社の理念と社名に込めた意味を説明した。
ひろゆき氏の弟分で、同社広報を務める高橋将一氏は「ひろゆきさんは日本のことが大好きで、インターネットが流行ったときは2ちゃんねるを作り、ニコニコ動画が出たときはメディアを作ったり海外に日本のインフラを取られないように、頑張って戦ってきた人だと思っています」と述べ、「日本の人には嫌われて訴訟されまくってパリに追いやられた背景があると思うんですけど…。それでも日本のよさ、すばらしさを、最終的には海外に広めていけるような会社になったらいいという想いで会社を立ち上げたいと聞いて、参画しました」と経緯を説明。新社に関与する丸井織物もひろゆき氏と以前から交流があり、その理念に賛同したという。
ネット限定で販売される同ブランドの立ち上げ商品は4点(アラミド繊維半袖Tシャツ=3万1900円、アラミド繊維長袖Tシャツ=3万7400円、アラミド繊維パーカー=5万9400円、アラミド繊維ジップアップパーカー=7万400円)。とにかく「燃えにくい、切れにくい」を前面に押し出した。ネット上での炎上に関して水を向けられると「僕は炎上慣れしてるんですけど、自分で炎上しているとは思っていない。人に何を言われても、そういうやつでしょって。マイナスがあまりない」と笑い飛ばした。
日本の技術を海外に広める活動を「誰かがやるべきなのに。誰もやらない」と、自身が児童養護施設にパソコンを無料配布する活動と重ねて語ったひろゆき氏。利益を求めもの作りが海外に移る中で「(いいものには)きちんとお金を払った方がいいよね、という人向けの商品を出して、先進国でのもの作りが増えるようにしたい」と話し、「僕らのところが『ちゃんと売れました』となると、真似する人が出てくると思う。メイドインジャパンにこだわればちゃんと海外で売れることが分かって、真似する人が出たらいいなと思います」と理想を語っていた。
硬軟幅広い質問にも、飄々と同じペースを貫いたひろゆき氏。同ブランドでは、今回とは異なる方向性でのスーツを開発中という。メイドインジャパン社としては「たべもの」と新規展開への意欲を語った。共同で開発を進める「仲間集め」も今会見の目的とし、事業参画パートナーは随時募集中という。