立憲民主党の長妻昭政調会長(64)が8日、国会内での定例会見で、自民党総裁の岸田文雄首相(67)が7日、党憲法改正実現本部で、憲法9条への自衛隊明記に意欲を示し、8月末を目指した自衛隊明記の論点整理を指示したことに「強烈な違和感がある」と述べた。
長妻氏は「勇ましく憲法改正を言うと、人気が出るとか総裁選に有利になるとか、国民の支持がたくさん得られるとか、右派の支持を厚くできるとか、何かそういう皮算用が見え隠れしている」と指摘した。岸田首相の姿勢を、長妻氏は「国民の皆さん、日本の社会、日本の国にとって、どういう憲法が必要なのかという冷静な議論抜きに、何かひとつのツールとして利用されている」と批判した。
さらに、自民党総裁としての任期は9月末までとして「約束というのは、任期中に憲法を改正するということ。任期はもう来月ですよね。いま突然、夏休みの最後の日の宿題をするような話として、総裁選を有利に戦うというような思惑を私が感じますから、自民党の中ですらそういう感覚があると思います。非常に憲法がもて遊ばれているのではないか」と迫った。
長妻氏は「もうひとつ理解できないのは、連立政権を組んでいる…政権を一緒にしている公明党と自民党と、一番コアの憲法9条のところが真逆であると。よく連立組めるなと。根幹中の根幹で全く違うところと同じ内閣をつくっているということについても、非常に目立つようなことではないか」と、疑問を投げかけた。