地球から遠く隔たったある惑星が、タマゴの腐った匂いがすることが分かった。NASA(米航空宇宙局)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のデータを使い、木星に似た大きさの巨大ガス惑星HD 189733 bの大気を調査したところ、微量の硫化水素(おならに含まれるガス)の存在が判明した。
悪臭を示唆された惑星について、今回の発見は硫黄の太陽系外の惑星への影響に関する情報を提供し、地球外生命体に関する理解を手助けする可能性もあるという。
太陽系外惑星のHD 189733 bは972度という高温で、ガラスの雨が降り、時速5000キロの風が吹く悪天候であることも知られている。
米ジョンズ・ホプキンス大学の物理学者グァンウェイ・フー氏は話した。「硫化水素は私たちが知らなかったこの惑星の主要な分子です。硫化水素が木星にあることはわかっていましたが、太陽系外では検出されていませんでした」
「暑すぎることもあり、この惑星で生命を探すつもりはありませんが、他の惑星でこの分子を発見することは、異なるタイプの惑星がどのように形成したかを深く理解するための足がかりとなります」