火星探査は、宇宙飛行士の腎臓に永久的な損傷を引き起こす可能性があるという考えが示された。月に行った宇宙飛行士24人の健康への影響に関する調査が行われ、その結果、多くの宇宙飛行士に腎臓への悪影響が確認された。
火星に到着するまでの時間を考えた場合、腎臓への影響はさらに大きくなると研究者らは危惧している。痛みを伴う腎臓結石で、場合によっては透析が必要になる可能性も考えられるという。
NASA(米航空宇宙局)やイーロン・マスク氏が火星探査の計画を進める中、この問題を解決するべきだとして、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のキース・シウ博士は話した。
「腎臓を守るための新たな技術が開発されない限り、宇宙飛行士は火星に行くことはできても、帰還する際に透析が必要になるかもしれません」「腎臓は放射線損傷を示すのが遅いことがわかっています。それが明らかとなった時には遅すぎる可能性があり、そうなれば、探査の成功の可能性は破壊的なものとなるでしょう」