5月13日から15日にかけて店頭価格が平年の1.8倍に。中には1玉1000円以上の値が付いたケースもあり、大きな関心を集めていたキャベツの価格高騰。買い控えしている方も多かったと思うが、今SNS上ではそんな騒動の終焉が注目を集めている。
きっかけになったのは京都の青果店・西喜商店の代表を務める近藤貴馬さん(@tomakondo)の
「ほら言うた通りキャベツの相場が大暴落。
1玉1000円のキャベツが200円切りました。大玉5玉入りで箱1000円切りました。20ケース頼まれました。高い時だけで無く安い時も報道して欲しいって千の夜をこえてあなたに伝えたい。」
という投稿。
そう、あれだけ連日「高値」報道されていたキャベツだが、6月に入りすっかり相場が落ち着いているのだ。安くなったことも報道してくれれば買い控えも早くおさまるのに…。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「地元明石にはキャベツ農家が比較的多いのに
八百屋さんもだと思うけど農家も消費者も価格安定、安定供給が助かるよね?」
「メディアって毎年毎年野菜のハウス物と露地物に切り替わる時の一時的に物が無いときに絶対に不作ダーで高値ダーで騒ぐよね
都会の人って一年中白菜とかキャベツが路地の畑で採れると思ってる?」
など数々の共感の声が寄せられている。近藤さんに話を聞いた。
ーーキャベツ相場が暴落することを予想された理由をお聞かせください。
近藤:キャベツが高騰していたのはご存知のとおりかと思いますが、5月半ばから長野県のレタスの入荷が順調に推移していたため高原野菜の生育が順調であると考え、このまま高騰の影響で需要を減らした状態で、長野県、群馬県のキャベツの出荷が始まり入荷量が増えると相場も一気に崩れると考えました。
ーー高騰当時の報道について、あらためてご感想をお聞かせください。
近藤:高いのは仕方がないですし、国産キャベツを多用している飲食店さんにとっては本当に大変だったと思いますが、一般家庭はキャベツが無いと生活に困窮するわけではないので、無いなら別の野菜で代用しようというポジティブな発想に切り替えてもらえるような報道があるとうれしいです。
青果流通の構造上、なんらかの野菜は絶対安く手に入るので、無い物ねだりをするのではなく、今ある野菜をうまく活用する、食生活のリテラシーを向上させられるような報道があると嬉しいです。
ーー反響へのご感想を。
近藤:「相場が元に戻っただけだろ」、「大げさに言い過ぎ」、「産地切り替えで相場が乱高下するのは毎年のこと」みたいなリプをいくつか頂きました。ただ、販売業者の感覚的には暴落です。そんな揚げ足取りをするのではなく、天候が悪いときも自然に向き合う生産者と、相場が高いときも安いときも、なんとか出荷されてくる野菜の中でやりくりをがんばっている青果流通関係者への敬意を忘れないでほしいなと思います。
◇ ◇
物価高騰はインパクトが強く、メディアにとっても取り上げやすい話題なので過剰報道になりやすい。報道する側も、それを受け止めるほうももう少し冷静な判断力が必要かもしれない。
近藤貴馬さん関連情報
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