かつて、大都市を中心としたパチンコ店で不思議な現象が起こり話題となった。一部の客が、パチンコで一切遊ぶことなく、購入したパチンコ玉をそのまま交換所で「特殊景品」であるバーに交換。店の外に設置された「TCU」(通称、換金所)では換金せず、繁華街へと姿を消してしまうという。一体、なぜなのか──。その謎の現象を調べるため、大阪の某パチンコ店で働く現役店員である林さん(仮名)に話を聞いた。
その現象について質問をすると、林さんは「先輩に聞いたことがあります」と、その現象について説明をした。一時期、金の買取価格が高騰した時代があり、一説にはパチンコ店で換金するよりも数倍もの値段になったという。目端の利く投資家たちはその情報を聞きつけ、バーの中にある純金を目当てにパチンコ店を訪れ、換金所ではなく街中にある買取店で買い取ってもらい利益を出していた。確かに、パチンコ台で絶対に儲かる必勝法とも言えた。
「でも、すぐに特殊景品の交換率を下げたことで、交換所で買い取る方がお得になり、この現象はおさまったそうですよ」
ところが今でも、換金所で換金せず、自宅に持ち帰る客が少数ながら存在するという。林さんによると「恋人にプレゼントしてるんじゃないかという説が濃厚です。あと、毎回だとめんどくさいのでまとめて換金するのでは、という話もありますね。本当のところは私たちにも謎です」と話す。
世界情勢が混沌として、各地で戦争が起き、通貨が不安定になれば金相場は上がるというのが普遍的法則だ。今後の世界変動を予測し、金の換金相場が1グラム1万円の今、世界情勢が悪化すれば、おそらく1グラム3万円になるかもしれない。今のうちにパチンコで儲けた特殊景品を大量にストックしておき、その時点で換金すれば、大きな資産を築けるだろう。不謹慎だが、そうした可能性に賭けてみるのも面白いかもしれない。