2023年10月に薬物使用が疑われ、警察から3度目の調査を受けた後に死去した、俳優のイ・ソンギュンさんの捜査情報を最初に流出させたと疑われた検察捜査官に対して、拘束令状を申請されたことが確認されたと3日、複数の韓国メディアが報じた。
京畿(キョンギ)南部警察庁反腐敗・経済犯罪捜査隊は同日、公務上の秘密漏えい容疑で仁川(インチョン)地検所属の捜査官に対し、5月30日に事前拘束令状を申請したことを明らかにしたという。
該当人物は、イ・ソンギュンさんが薬物使用容疑で警察の捜査を受けているという情報を、知り合いだった京畿地域のメディア「京畿新聞」の記者に知らせた疑いが持たれている。
検察は30日、警察から拘束令状申請を受けその翌日の31日、令状を裁判所へ請求。同人物に対する、拘束前の被疑者尋問(令状実質審査)日程は、今週中に行われる予定だ。
京畿新聞は22年10月19日「トップスターL氏、麻薬容疑で内偵調査中」というタイトルの記事で、この事件を単独で報道。警察は、同新聞社がイ・ソンギュンさんの事件の情報をどうのようにして入手し、最初に報道したのかという経緯を調べる過程で、該当捜査官の名が浮上した。
警察は、徹底したセキュリティーの中、捜査を進めていたはずの情報が流出したという点で、該当捜査官に公務上秘密漏えい容疑の適用が可能だと判断し、拘束令状申請に踏み切ったことを明かした。
韓国メディア界隈では今回、警察が同捜査官の身柄確保に乗り出したことで、今後捜査機関を相手にしたマスコミの取材活動が「萎縮する可能性がある」との懸念が出ているという。外部に、一度も知られていない事件を報道する記者に対し、今回と同ケースのような論理で強制捜査が行われ、取材源を見つけ出して処罰することが起こりうるのでは、という理由からだ。
これに対し、警察関係者は「(警察が)記者の自由な取材を妨害したり、(報道の自由を)侵害することはない」とし、「(警察の)公報規則に準じた取材活動については、従来通りできるだろう」と言及している。