⑤ 「オーダースーツ」というと、敷居も値段も高い印象。昨今は変わってきていますか?
A.昔はフルオーダーと言えば安くとも8~10万円。舶来製のブランド生地を選ぶと、40~50万までするものもありました。今はSADAの場合ですと、初回は1万9800円(税抜き)から作ることができます。条件としてはポリエステル混の、SADAでは低いランクの生地でのお仕立てになりますが、既成スーツ量販店の格安商品の生地に比べれば、ウール量などで見ても良い生地です。裏地、ボタンも通常のものから色選択のみであればアップチャージは無し。お試しとしては、これでも十分にフルオーダーの良さを実感出来るものとなっています。オプションとしては有料にすると、裏地は高級裏地の代表であるキュプラ裏地や、ゴルフや野球の絵がプリントされた裏地まで選択可能。キュプラ裏地は税別プラス3000円からです。ボタンも有料オプションにすると、素材を水牛の角や貝製、革製などのボタンを選択出来るようになり、より選ぶ楽しさを満喫していただけます。先ほどの「丈短めのダブルスーツ」を例に出すと、プラス5500円のアップチャージ以外でシルエットのアレンジにお金はかかりません。
⑥ 安い生地を使用した場合と高い生地を使用した場合とでは、出来上がったスーツの強度(破れ、すり減りなど)の違いは出ますか?
A.スーツの生地に使用している素材はポリエステル混紡の方が耐久性は高くなる傾向にあります。高級なスーツに使用される生地は原毛が細いものが多く、(もちろん例外はありますが)ポリエステル混紡に比べると生地としての耐久は劣ります。しかしながら
・高頻度で着用する(毎日ずっと同じものを着用する、本来は数日に一回程度の着用が望ましい)
・正しい手入れをしない(使用後のブラッシング、シーズン毎のクリーニング)
といった正しい使用方法で着用しないと、どのような素材でも早く傷んでしまい、長持ちしません。また本来のビジネススーツとして着用するという用途とは異なった使い方(過度な運動をする、無理な力をかける)といった使い方は本来推奨されません。そのため通常のビジネスシーンでの利用では耐久性についてはそこまで気にするほどの違いはありません。ただ、しわに関しては、ポリエステル混紡の方がしわになりにくい分、一度しわになると自然には取れにくい。ウールは撚って作られているため、しわ自体はつきやすいが回復力が高く、適切な使用頻度であれば自然としわも回復します。弊社でもポリエステル混紡素材も用意しておりますが、弊社としてはウール100%のものをおすすめしています。