現代人は、ネアンデルタール人の存在しなければ生き残れなかったという説が出てきた。新たな研究によると、現生人類は世界中に人口を増やす前に何度か絶滅し、ネアンデルタール人と交配したものだけが繁栄したことが分かってきた。
この研究は、ホモサピエンスがネアンデルタール人と交配した4万8000年前の短期間に焦点を当てたもの。ホモサピエンスは、アフリカを出た後ネアンデルタール人と交配し世界へと進出していくが、以前にもアフリカを離れていたものの交雑期以前の個体は生き残らなかったという。
ネアンデルタール人の遺伝子が、まだ罹っていなかった病気から現生人類を守り、その生存に極めて重要な役割を果たしたそうだ。
今回の発見によって、専門家らは現生人類の歴史を書き換える必要があることを示唆している。ドイツのマックス・プランク研究所のヨハネス・クラウス教授は話した。「現生人類は6万年前にアフリカから出てきてあらゆる生態系に進出、地球で最も繁栄したほ乳類になったという大きなサクセスストーリーがあります。しかし、初期に私たちは何度も絶滅していたのです」