生まれ育った街から離れ外国での経験が、その後の人生に大きく影響を与えるというのはよくある話だが、これほどうまく行くケースも珍しいだろう。神戸のサッカーファンには馴染みが深い元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキのことで、ビジネスマンとして大成功を収めている。さらに新たなキャリアのスタートは日本でプレーを始めた頃で、六甲山から吹く風が起業家・ポルディの背中を後押ししたと言えるかもしれない。
スペインのスポーツ紙マルカなど複数メディアによると、ポドルスキが最初に手がけた事業がアイスクリームブランドで、これがJリーグの神戸に加入した2017年のこと。翌2018年にはケバブのレストランをオープンした。それまで所属していたガラタサライでトルコ料理を気に入ったことがきっかけで、その後チェーン展開。数年の間でドイツ国内に30店舗を広げるに至っている。英紙ザ・サンによると純資産は2億700万ユーロ(約336億円)以上だという。
38歳の現在もポーランドのグールニク・サブジェでプレーしている。母国南部の出身地グリヴィツェにほど近いサブジェを本拠地とするチームで、夫人と3人の子供と共に一緒に料理をしたり、子供たちと部屋の内装を考えたりと落ち着いた生活をしているという。ちなみにダイニングルームなどのインテリアはシンプルで自然な日本スタイル。白と木材の茶色を基調とし、食卓の真ん中には盆栽が飾られている。
とはいえすでに成功を収めているだけに“事業家精神”に火がついた様子。ケバブチェーン経営のほか、これまでに音楽フェスティバルの開催、スポーツセンター開設、有名人とファンとのサッカー大会を運営とプロジェクトを手広く展開している。サッカー選手としては円熟期を迎えているが、第2の人生の方はまだまだ限りない可能性が待ち構えているようだ。