日本のメーカー「ポケットペア」(東京都)が開発したモンスター育成オープンワールドゲーム「Palworld/パルワールド」が、世界で驚異的な人気になっている。1月下旬、PC(Steam)やXboxなど向けにリリースされ、ダウンロード数は2週間足らずで1900万を突破。通常、発売から数年たたないと達成できないレベルの数字だという。
その一方で、「ポケモンに銃を持たせただけ」との見方も出ており、ポケモン社と出資元の任天堂が法的措置を取る可能性が指摘され始めた。
実際にパルワールドをプレイしている都内のゲームファンに聞いたところ、さまざまな見方があることが分かってきた。「パルワールドをプレイして、ポケモンに似ている部分もあるんですけども、そうじゃない、オリジナリティな部分もあるし。まあその、結局そのポケモンには建築っていうのは、物を作ったりっていうのはないけど、パルワールドにはあったりとか。そういうところでは、ポケモンとまるまる一緒っていうわけではないのかなっていうところで、パルワールドはパルワールドとして楽しめてるのかなというところですね」
プレイヤーがかわいい生き物を捕獲し強くする、これはある意味、“お決まりのシステム”とも考えられ、このゲームの生き物は「パル」と呼ばれる。
株式会社ポケモンはこの点に着目した。1月25日には、「ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては調査を行った上で、適切な対応を取っていく」と発表。ただ、パルワールドや開発会社のポケットペア社を名指しはしていない。
ポケモンは世界で最も価値のあるメディアミックスの1つであり、強固に保護されている。ゲーム業界のコンサル会社、カンタンゲームズのセルカン・トト氏は、今後何が起きるか疑いの余地はほぼないと話す。「極めて確信を持って言えることは、少なくとも、任天堂とポケモン社はこの件に非常に注目しており、今後、法的措置を取る可能性がある。2社が、パルワールドと開発会社に法的措置を取らないのなら、他社にいつ法的措置を取るというのか」
ポケットペアは、盗作疑惑を全面的に否定している。溝部拓郎社長はX(旧ツイッター)で「弊社のアーティストに対して誹謗中傷が届いて」いると述べた。ポケモン社に出資している任天堂は、個々の事例についてはコメントしないとしている。