ストレスを抱える事が多い現代社会。癒しは必要不可欠だ。
「あなたにとっての癒しは?」という質問でよく挙げられるのが動物。中でも猫は、その愛くるしい姿や自由気ままな姿勢などから、多くの人の癒しとなっている。
しかし猫は、作業の邪魔をしたり、テレビの邪魔をしたりと、とにかく色々と邪魔をしてくる生き物でもある。
そんな猫がもし、パソコンのモニターの中でも邪魔してきたら…?そんなありえない事が実現出来る拡張ツール「ネッコサーフィン」が公開された。マウスポインタ目掛けて、ひたすら画面内の猫が邪魔してくるという、公式が認める「何の便利機能も無い邪魔だけするツール」だ。
邪魔をするだけのツールなのに「可愛いw」「癒される」「邪魔なんだけど導入してしまうw」等、絶賛の声が多数上がるこのツールについて開発者のもにゃさん(@Monyaizumi)にお話を聞いた。
橋本ダイスケ(以下「橋本」):とても可愛らしい拡張ツールのネッコサーフィンですが、開発に至ったキッカケをお教えください。
もにゃ:ある日リモート会議をしていた時、通話相手の机上にそっとその人の飼いネコが上ってきて、仕事の邪魔をされていました。そんな光景を目にして、羨ましくなったのがきっかけです。
「ネコに邪魔されたい」このアプリのコンセプトにもなっている、ただ1つの願望からネッコサーフィンは生まれました。
橋本:拡張ツールによくある「便利機能!」みたいなのは本当に一切無いんですか……?
もにゃ:ありません。むしろちょっと邪魔されるためのツールです。
橋本:本当に邪魔しかしないんですね…(笑)。開発がかなり難航していたとも拝見しましたが、開発期間はどれぐらいだったのでしょうか?
もにゃ:デモの公開から1年と2か月お時間をいただきました。長らくお待たせしてしまったにもかかわらず、リリースした今もネッコサーフィンをたくさんの人に喜んでいただけている状況が本当にありがたいです。
橋本:長期間に及んだんですね。それだけ長いと、苦労したエピソードもあったりするのでしょうか?
もにゃ:ありますね。拡張機能によくある「便利な機能」を排除する代わりに、「ネコが邪魔してくる」という体験価値そのものにひたすらに時間をかけています。
一つ目は、「リアルなネコの動き」の実現です。実際のネコをグリーンバック撮影した素材をもとに、1フレーム1フレームを修正編集していくことで、それぞれの動作パターンがシームレスになり、ぬるぬると動き続ける、まるで本当にそこにネコがいるかのような体験を実現しています。動きが単調にならないよう、動きのバリエーションにも気を使いました。
二つ目は、「いい鬱陶しさ」の追及です。邪魔すぎず、とはいえ存在感はある、ずっといてほしくなる形を目指しました。しかし、この塩梅の検証に関しては、頭の中の想像には限界があるので実装して使ってみるほかありません。ネコの大きさは?色は?種類は?歩く速度は?立ち止まる頻度は?長さは?どのくらいの確率でじゃれつく?などなど、ネコの一挙手一投足に関する数多の試行錯誤がありました。
撮影、編集、開発、すべてが気が遠くなるような作業の連続でした。
橋本:とてつもない拘り様ですね…猫好きから絶賛されるのも納得です。フリー版は1匹の猫ちゃんですが、サブスク版ではいっぱい猫ちゃんが来るとの事ですが、最大何匹まで邪魔しにくるんでしょうか……?
もにゃ:現在のところ、1つのウィンドウあたり10匹までのネコチャンが邪魔しに来ます。壮観です。
橋本:10匹も来られたら何も出来ませんね(笑)。今後もネッコサーフィンはアップデートするのでしょうか?
もにゃ:ネッコサーフィンは「ネコに邪魔されたい」をコンセプトに、今後もどんどん進化していきます。ちょっとした使い勝手に影響するマイナーアップデート、ネコの挙動の追加、まさかの機能追加まで、現在も、今月と来月それぞれのアップデートに向けて準備中です。ぜひ今後ともネッコサーフィンをよろしくお願いいたします。
◇ ◇
「猫に邪魔されたい」。そんな特殊な着眼点から開発されたネッコサーフィンは、ブラウザの癒しとして多くの人を和ませている。これを書いている筆者も、今まさにネッコサーフィンで原稿を書く邪魔をされながら、癒されているところだ。
暗いニュースが続く現代、ブラウザ上の猫ちゃんの戯れを見て、ほんのちょっと癒されるのもいいかも知れない。
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