将棋の藤井聡太七冠(名人、竜王、叡王、棋王、王将、棋聖、王位)が永瀬拓矢王座に挑戦する挑戦を受ける第71期王座戦五番勝負第4局が11日、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で指され、藤井七冠が勝利。対戦成績を3勝1敗として王座位を初奪取し、前人未到の八冠制覇を成し遂げた。
第3局を大逆転で制し、八冠に王手をかけて臨んだ今局。藤井七冠は後手番で、戦型は両者が得意とする角換わりに進んだ。対局開始から1時間もたたないうちに駒がぶつかり合い、午前中から派手に大駒を切り合う熱戦に。昼食休憩の段階では、すでに藤井七冠がやや劣勢に立たされ、持ち時間も5時間の半分以上を使う苦しい展開となった。
午後に入ると、永瀬王座も長考に入り、形勢が揺れ動く展開に。永瀬王座に押される展開が続いたが、終盤に鮮やかな手順で逆転すると、その後も逆転に次ぐ逆転の大熱戦を制し、史上初の快挙をたぐり寄せた。
藤井新八冠は2012年、プロ棋士養成機関の奨励会に入会。16年に史上最年少の14歳2カ月で四段に昇段し、史上5人目の中学生プロ棋士となった。17年6月にはデビューから無敗で歴代最多の29連勝を達成した。
20年7月に第91期棋聖戦五番勝負で渡辺明棋聖(当時)を破り、史上最年少の17歳11カ月で初タイトルを獲得。その後もタイトル戦で連戦連勝を続け、今回で歴代2位のタイトル戦番勝負18連勝を無傷で達成した。