シングル最強決定リーグ戦「5☆STAR GP 2023」を締めくくる横浜武道館大会が30日に行われ、初出場の〝絶対不屈彼女〟安納サオリは白川未奈を相手に11分7秒、首固めで3カウントを奪った。ブルースターズでは勝ち点10となり、優勝決定戦進出は逃したものの「すごく濃い夏になった」と前を向いた。
白川の執ようなヒザ攻めに、安納はブリッジ式4の字固めなど、同じくヒザ攻めで真っ向勝負を展開。白川が旋回式フェイスバスターに続いて4の字固めを仕掛けた一瞬のスキを丸め込み、互いの執念が絡む神経戦を制した。
ジュリアにドロー、マライア・メイを下し、舞華にドロー。ここからAZM、林下詩美、渡辺桃に3連敗を喫したのが響いた。羽南、MIRAI、白川と3連勝で巻き返したが、12点を上げた舞華に届かなかった。痛そうに足を引きずり「初めての5☆STARが終わりました。ずっと出たかった5☆STAR。優勝もできず、決定戦にも進めず、安納サオリの名を刻めたのかな」と、無念さを口にした。
7月23日に始まった過酷なリーグ戦。期間中にも関わらずタイトル戦が組まれ、8・13大阪大会でなつぽいとのコンビでゴッデス王座を獲得し、9・3広島大会では初防衛に成功した。フリーとしてセンダイガールズ、OZアカデミーなど幅広い団体で戦い抜いた。9月21日には米ニューヨークで開催された新興イベント「SUKEBAN」で海外マット初進出を果たした。
「東京に出てきてから、こんなに出歩いた夏はない。いろんな感情が出てきた夏だった。5☆STARで戦った選手全員ともう一度戦いたい。勝った相手でもやり返さないといけないところがある。結果は悔しいけれど、勝ち点を2桁に乗せて、次に繋げることができたとは思います」
昨年と比べると2倍近い出場試合数になったという今夏。5月31日に発売した写真集が書泉の売り上げランキングで1位に輝き注目度が上昇するなど、売れっ子レスラーとなっても、決して満足はしていない。
「なつみ(なつぽい)とベルトを巻けたのは良かったけれど、本当に感情が忙しい、濃い夏になった。まだまだ安納サオリを知ってもらえるように行動しなくちゃ」
自身の限界に挑戦するかのような夏を終えた安納サオリ。11月19日には故郷の滋賀県大津市で2度目の凱旋自主興行「HAPPY JAM 2023」が控える。収穫と課題を胸に、さらなる飛躍を目指す。