スターダムの若手主体興行「NEW BLOOD 10」が18日、東京・品川のザ・グランドホールで開催された。〝絶対不屈彼女〟安納サオリ(32)は〝超新星〟天咲光由と一騎打ちに臨み11分25秒、タンタンドルで3カウントを奪った。デビュー2年目、21歳のホープの潜在能力の高さを証言した。
試合を終え、安納は顔を紅潮させたまま「あの子はかわいさが武器じゃない。性格が武器なんじゃないかなって私は思います。今日あの子からすごい希望をもらった」と声を弾ませた。ドロップキック連発を浴びるとともに試合開始。先制を許すもストピング連打からの絞め技で対応した。「さあ来いや」「そんなもんか」「もっと来いや」と煽る度、強烈なエルボー、馬乗りからのパンチ連打で呼応された。数種類のDDTを許し苦戦する場面もあったが、最後はジャーマン2連発からのタンタンドルで白星を収めた。
ジュリア、中野たむ、朱里、渡辺桃、AZMに挑んだ五番勝負の番外戦として、天咲の要望を受け入れた一騎打ちだった。
「あまり表情が変わらないイメージだったが、最初からめっちゃ痛かった。遠慮なく来たってことですよね。それはすごくうれしい。ドロップキックはマジか、と思うくらい効きました。途中、めっちゃ痛かったけれど、『もっと来いよ』とひっかけてみたら、ひるまずに、それ以上のものが来た。初めて戦ったので緊張もあったと思うのに、あの子は強いね。見た目がかわいくて守ってあげなきゃ、というイメージを私も持っていたけれど、天咲光由は強いよ。希望に満ちている。これは上から目線じゃない」
首狙いの徹底など、天咲の戦略面も評価した安納。フリーとして、さまざまな団体のリングに上がり、若手に胸を貸すことも多い。「その子をどこまで引き出せるか。普段と違って若い子とやる時は緊張します」と話すが、この日は最初のドロップキックで「あの瞬間に大丈夫と思った。私にも火がついた」と自身の力も解放した。
デビュー翌年の2016年、スターダムで宝城カイリ(現KAIRI)らトップ5選手とのチャレンジマッチを経験。7年後に逆の立場でリングに立ったが「教えるというよりも、私自身がまだまだこれから」と感慨に浸るつもりはない。「どの試合も全て未来につながっていると思うんです。私たちにとっては何試合もあるうちの1試合かもしれないけれど、お客さんにとっては大事な1試合。そこにどれだけ自分を出せるか。だから今日のお客さんは、天咲光由に何かを感じたと思う」と改めて評価を口にした。
6年3カ月ぶりにスターダムのリングに立った今年は、8・13大阪大会でなつぽいとのタッグでゴッデス・オブ・スターダム王座を獲得するなど存在感を高めた安納。初出場の5★STAR GPでは苦闘が続くが、〝絶対不屈彼女〟は「今日あの子からすごい希望をもらった。私は3敗2分け1勝でも前に進むから」と、天咲戦から大きな刺激を受けた様子だった。