電子取引データ保存の義務化がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは税理士のはたけさん(@hatake_tax)による
「ズバリ言いますが、税理士の私が『インボイス制度』よりもヤバいと思っている『電子取引データ保存』を知って下さい。激ヤバすぎて義務化が2022年→2024年になったほどです。具体的に何がヤバいかはリプ欄に書きます。全事業者対象なので、今から準備しておかないと、マジで大変なことになりますよ。」
という投稿。
電子取引データの紙保存が原則禁止に。メール添付の請求書、通販サイトで購入した物品の領収書など全てデータのままの保存し、かつそれらを日付、金額、取引先を指定して検索できるようにすることが求められる負担ばかりのこの新制度にはたしてどれだけの企業が対応できるというのか…。
はたけさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「詳しくありがとうございます。
紙で保存は駄目で、全部データ保存なんですね❣
PCに慣れない人は大変💦
私は整理が苦手なので今から準備します😅」
「これはマジでヤバいんですよね。2022年に実施の際、21年9月の省庁説明会を聞きましたが、自前のサーバのタイムスタンプは改ざんの可能性があるからNG、検索性をつける必要があるため、普通のクラウドファイルサーバも使えない。結果、各企業は通常のサーバと保管用サーバ二重管理になる。。」
「経理の現場感覚でいえば、電子取引データ保存はほぼ無理。
結局、大手企業は請求書送付/受取のWebプラットホームを色々指定してくるし、中小企業は紙でしか送れないとかでデータで請求書の受領の統一は無理だったね。
経理事務の業務量が増えて、インボイス制度よりも破綻するわ。」
など数々の悲鳴のような声が寄せられている。
はたけさんにお話を聞いた。
ーーこの制度施行をお知りになった際のご感想をお聞かせください。
はたけ:全事業者を対象にするって正気?年配の人は無理ゲーじゃないの?対応したらしたでコストがかさむし、生産性が間違いなく落ちると思いました。私自身対応していますが、実際にコスト増、生産性が低下しています。
ーー今からできる準備や対策などお聞かせください
はたけ:電子取引データ保存に対応した会計ソフトを絶対使ったほうがいいと考えています。また、セミナーに参加したりして、勉強することをおすすめします。税理士に相談することも一つの手です。補助金を活用することで、会計ソフトの導入費用や税理士に相談した費用などの金銭的な負担軽減を図ることができます。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
はたけ:2024年1月から適用なのに、インボイス制度の影に隠れて、あまり知られていないことに大変驚きました。それと同時に関心を持ってくださり、大変うれしく思います。これをきっかけに準備を進めていっていただけたら幸いです。
◇ ◇
読者のみなさんは電子取引データ保存の義務化をご存じだっただろうか。この問題と言いインボイス制度と言い、国民が疲弊しているにも関わらずその苦しみを省みない施策は続く。我が国の行政はいったいどこへ向かおうとしているのだろうか。
◆はたけさんプロフィール
はたけ|個人専門税理士』「個人の生活を豊かにする」をモットーに、毎日、節税・最新税制に関する情報を発信し、税肉を落とすことに奔走中。