エンタメ事業を手がけるアブストリームクリエイションでは2年前から、事前に申告していた”推し”が結婚した場合、有給休暇を取得できる制度を採用している。4日、プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(28)が結婚を発表したことを受けて、同制度が初めて適用されたことが分かった。
「推し結婚有給休暇取得」制度は2年前、嵐の櫻井翔、相葉雅紀の〝W結婚〟報道を受けて採用。同社プロダクトクリエイション・マネジメントディヴィジョン・執行役員の保坂有希氏は理由について「エンタメの会社なので働き方や生活、取り組みもエンターテインメントにし、刺激と発見を取り入れやすくするため、こういった施策に取り組みました」と説明。内容は
①推しが結婚した場合、当日および翌日を有給扱いとする。
②推し結婚お祝いとして金一封を贈呈する。
となっている。同制度を知って、面接を受けにきた人もいたという。
ただ意外にも、これまで”推し結婚有給休暇”を取得した人はゼロ。保坂氏は「『この人がもし結婚したら私はしばらく仕事になりません』を宣言できる人は、なかなかいませんでしたね」と苦笑した。自身も制度の存在を忘れかけていたが、今回”羽生推し”の女性社員から話があり、有給を認めたという。
なぜ2年もの間、申請がなかったのか。保坂氏は「あらかじめの推し申告制なので自分の推しを上司に報告するということがハードルがある」と分析。「社員の状況を見て申告がなくても適用するかを決めるおおらかさは持とうと思っています」と語った。
”箱推し”という言葉があるように、推しは1人とは限らない。ユーザーからも「推しが多ければ多いほど得じゃない」との声も上がった。保坂氏は”推し”の人数制限について「特に設けてはいませんが、あまりにも多いと制限はする可能性は高いです」と笑った。