リオ五輪卓球台湾代表だった江宏傑氏が27日、都内で緊急会見し、同競技で五輪2大会連続メダリストの元妻・福原愛さんが長男を日本に連れて帰り、その後連絡を絶っていると主張。7月20日に、福原さんに江さんへ長男を引き渡すよう裁判所の保全命令が出たことを明かし「日本の裁判所の審判結果を受け取りました。福原愛さんに対し、息子を私に引き渡すよう命ずる内容です。早く息子に会いたい、ということを申し上げたい」と訴えた。
江氏によると、2022年7月23日、福原さんとの面会交流のために台湾の空港で長男を引き渡したが、1週間後に連絡を絶ったという。日本の裁判所に福原さんの親権停止を申し立て、緊急性を要する保全命令が出たとした。台湾の弁護士は「江さんは、一生息子と会えないのではという恐怖がある。何度も涙を見た」と胸中を代弁した。
大渕愛子弁護士は「保全命令が出ることは非常にめずらしい。保全命令が出たからには、福原さんが不服を申し立てるかしないかにかかわらず、緊急に子を引き渡す必要がある。引き渡しに応じるという連絡は受けていない。引き渡してくれるかどうか不安な状態。引き渡しに関して、何ら返事がない」とし、早急に長男を江さんに引き渡すよう迫った。
福原さん側は、係争中であることなどを理由に会見の中止を求めたが、大渕氏は「なぜこのような会見を開かざるを得なかったのか。自身の行動を振り返って、社会的立場がある福原さんには客観的に考えてもらいたい」と非難した。
大渕氏は、福原氏が今後も長男の引き渡しに応じない場合「次のステップ」として、未成年者誘拐罪で刑事告訴する考えも示した。7月21日には裁判所に強制執行を申し立てたが、江さんは「子どもが傷ついてしまう。任意の履行を求めたい。執行をする前に任意の引き渡しを」との考えだ。
福原さんへの思いを聞かれた江さんは、目に涙を浮かべながら「協力してほしい。日本の裁判所に従って、平和で安全な形で子どもを引き渡してほしい」と語気を強めた。