広島の獣人系UMA「ヒバゴン」が半世紀経て再注目 地元観光協会が「探検隊」募集、プロレス参戦も!?

北村 泰介 北村 泰介
 「ヒバゴン」のイラストを手にするUMA研究家の山口敏太郎氏(左)と怪獣プロレス代表の雷神矢口。目撃情報による想像図だ
「ヒバゴン」のイラストを手にするUMA研究家の山口敏太郎氏(左)と怪獣プロレス代表の雷神矢口。目撃情報による想像図だ

 「ヒバゴン」という未確認動物(UMA)をご存じだろうか。広島県内の山中に生息する「獣人系」のUMAとして1970年代に全国的に話題にもなった、そのブームから約半世紀を経た今年、ご当地の広島・西城町観光協会ではSNSを通して「探検隊」への参加者を全国から募集中。さらに、9月に旗揚げする団体「怪獣プロレス」は〝ヒバゴン参戦〟を予告している。なぜ今、ヒバゴンなのか。それぞれの担当者に話を聞いた。

 ヒバゴンは70年から74年にかけて広島県庄原市内などで目撃情報が相次いだ。当時、報じられた目撃情報によると、全身が毛むくじゃらで、二足歩行の類人猿タイプ。身長は1・5メートルほどと小柄で、顔は逆三角形だったという報告も。ちなみに、その名は目撃地である比婆山(ひばやま)に由来している。

 怪獣プロレスでは、UMA研究家として知られる山口敏太郎氏と中沢健氏が「ヒバゴンを9月の旗揚げ戦に連れてくる」と予告。「ヒバゴン」で町おこしに取り組む西城町観光協会も同団体の企画に協力している。虚実皮膜のファンタジー目線で捉えられつつも、2023年の夏、「ヒバゴン」に焦点を当てた企画が始動していることは事実としてある。

 「獣人型UMAが市の公式キャラクター」となっている西城町。観光協会の担当者は「53年前の目撃当初から住民の皆様に怖がられていましたが、騒動が落ち着くにつれ、特に被害もなかったことから、ヒバゴンを使った町おこしを、町を挙げて行ってきました」と解説。「ヒバゴン音頭」などの曲、「ヒバゴン味噌」や「ヒバゴンネギ」といった特産物、キャラクターグッズも誕生したという。

 「ヒバゴン探検隊」について、担当者は「昭和45年12月16日に庄原警察署が吾妻山で採取したヒバゴンと思われる足形を石膏型にして、現在まで警察署長室に飾られていましたが、このたび、町おこしに役立ててほしいと西城町観光協会にご寄贈いただくことになり、それを記念したお披露目会を開催するにあたって発足しました」と経緯を説明。「この機会にヒバゴンの周知をさらに高め、『ヒバゴンの町西城』として全国からお越しいただけるよう、活動の場を持ちたいと企画しました」と補足した。

 年会費5000円で隊員になると、特典付きの「探検許可証」(カード型、デジタル型の2種類)が発行。今後の展開について、担当者は「探検隊の活動は当団体が存続する限り継続していく予定です。年4回のヒバゴンについての勉強会と年1回の目撃地を巡る探検活動に向けて準備をしていきます。第1回勉強会は9月に実施予定です。西城町の人口(3000人)を超す隊員が目標です!」と力を込めた。

 さらに、担当者は「プロレスでヒバゴンをPRしていただけるとのことで、ありがたいお申し出に当協会でも全面的にバックアップさせていただく予定です。今後は町のイベントともコラボも視野に入れた企画を進めてまいります。今年8月13日に開催予定の夏祭り『ヒバゴン郷どえりゃあ祭』にも凱旋していただくことも検討中です」と仰天プランも明かした。

 怪獣プロレスでは9月の旗揚げ戦に先がけ、8月2日に東京・上野不忍池水上野外音楽堂で『怪獣プロレス予告編』と題するイベントを開催。団体代表のプロレスラー・雷神矢口(矢口壹琅)と共に、山口氏と中沢氏も登壇し、新たなヒバゴン情報が期待される。

 雷神矢口は「私が小学生の頃、『第1次UMAブーム』と言ってもいい、未確認動物のブームがありました。それはイギリスのネッシー、ヒマラヤの雪男という2大UMAの存在が大きかったからですが、それに対抗する形で、日本オリジナルUMAの代表格としてヒバゴンがいて、当時小学生の私にとってツチノコと並ぶ日本のUMAは、決して海外のそれに劣らない存在であり、当時の日本の子どもたちにとって誇り高い気持ちを持ったことを覚えています」と自身の原点を明かした。

 その上で、雷神矢口は「今回、念願かなって怪獣プロレスを立ち上げる私の元に、(同団体の)役員である山口敏太郎さんとUMA研究家の中沢健さんが真っ先に送り込んできたUMAがヒバゴンだったと聞いて鳥肌が立つほどうれしかったです。ぜひ闘ってみたいと思うのは怪獣プロレスラーとしては当然の思い。今回、中沢さん自ら『広島の西城町からヒバゴンを連れて来る』と言われており、今からワクワクしております!この何が飛び出すかわからないワクワク感こそ怪獣プロレスの魅力だと、ヒバゴンの突然の出現に私自身、改めてそう思いました。代表の私がワクワクするんです。きっとお客様もワクワクと楽しんでいただけるものと確信しております。そして、たくさんの『怪獣マニア』が集まってくれることを期待しております!」と腕まくりした。

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