新型コロナウイルスの新規感染者数が爆発的に急増している。昨年から世界を覆ったコロナ禍は依然として出口の見えない状況が続く。ある日突然、命を落としても不思議ではない時代にあって、見えないものに想像を働かせ、「現実」とされている世界では解明できない未知の世界への興味を抱く人も少なくない。ここでは、未確認飛行物体(UFO)や未確認動物(UMA)について、オカルトから芸能の裏ネタまで、幅広く知的好奇心を刺激するニュースサイト「TOCANA(トカナ)」の角由紀子編集長に見解を聞いた。
角さんは上智大学文学部フランス文学科を中退し、桑沢デザイン研究所に入学。いくつかの職場を経て、出版社のサイゾーに入社後、新媒体を立ち上げる機会を得て、好きなオカルトを扱えるサイトとして「TOCANA」を2013年に立ち上げた。31歳で編集長に就任。当初は「月に1000万PVくらいあれば」と見込んでいたアクセス数が、ピーク時には月8000万PVを超えるなど、マニアだけでなく潜在的な読者層を掘り起こした。
昨年には、ケンドーコバヤシがメインMCを務めるトークバラエティ番組「ほんトカナ!? ケンドーコバヤシの絶対に観ないほうがいいテレビ!」をTOCANAで制作し、12月からネット配信を始めた。編集長兼アシスタントとして出演する角さんが「カオスな領域しか扱わない境界ギリギリ番組が放つ秩序の対極があなたの常識を覆す!」という通り、これまで個性的なM男や風俗嬢、宇宙人との〝濃厚接触者〟、 格闘王・前田日明、童貞を貫く男たちなどが登場した。
そんな角さんにUFOについて聞いた。TOCANAで「UFO・宇宙人」の項目を開くと、「東京上空にトライアングルUFO編隊が出現していた!!」(7月8日配信)、「古代の日本にエイリアンがいた決定的証拠!?『異形の人面石』を徹底解説!」(同29日配信)、「ユリ・ゲラーがNASAの冷蔵室でエイリアンを目撃か?」(8月1日配信)…といった興味深い記事が並ぶ。
角さんは、よろず~ニュースの取材に対して、「UFOは、今年、米軍が発表したレポートにも記されているとおり、見間違いでも何でもなく、正真正銘の未確認飛行物体です。未確認飛行物体と言えど、地球上にある軍事上の最先端技術で作られた兵器なのでしょうと疑う声もあがりそうですが、そうではありません。目撃されたUFOの瞬間移動速度や水中運行など、推進技術においては現状の科学では説明ができないことが国防総省のレポートにはっきりと明記されています。ゆえに、『ありえないスピード』『ありえない物体』というのは矛盾しますが、国際基準で考えてもありえる現象なのです。そうした未知なる存在が現実に存在することは認めざるを得ない時代になっています」と解説した。
一方、今、UМAとして注目されているものは?日本では、今も町おこしを兼ねた捜索活動が継続されている全国区のツチノコをはじめ、地方限定でもヒバゴン(広島県)などがメデイアで取り上げられた。古くから伝承されている雪男など、人間の心には未知の生物に思いを巡らす歴史がある。
角さんは「イエティやビッグフットなど獣人系のUMAは注目されています。発掘技術も進み、つい最近も人類の進化においてこれまで考えられなかった新種の人類(竜人)の頭骨などが中国で発見されていますから、我々とは異なる進化を遂げた人類がどこかで生存していても、なんらおかしくありません」と指摘した。
イエティとはヒマラヤ山脈に生息するといわれるUMAで、全身を毛で覆われ、直立歩行するという。1950年代から世界各国から探索隊が派遣され、日本でも「日本雪男研究グループ」の学術探検隊がエベレスト山麓に派遣されたこともある。ビッグフットは、米国の先住民族の間で「毛深い巨人」として伝わっていた長身の獣人系UMAで、多くの目撃談が残されている。
さらに、角さんは「(獣人系の)ほかにはネッシー。気候変動によりネス湖の水位が下がっていることから、いよいよ正体が暴かれるのではないかと期待されています」と、UMA界のビッグネームであるネッシーに注目。一大ブームを巻き起こした後も、地道に捜索が続けられている中、近い将来、動きがあると予言した。
「水中、陸上、空中、いずれのUMAも目が離せない状況です」と角さん。サイトの立ち上げは東日本大震災から2年後だったが、今ではコロナ禍という人類史に爪痕を残す現象が起きている中、さらなる未知の世界を追い続けていく。