ペンギンはどこの水族館、動物園でも人気が高い。大阪・海遊館のオウサマペンギンも、平日でも展示コーナーの前には人だかりができている。愛くるしいペンギン歩き、水中を気持ち良さそうに泳ぐ姿、羽色の違うヒナのかわいいしぐさ。見ていても飽きることはない。
担当の森本大介さんによると、ペンギンの中では、おっとりしている部類という。しかし、飼育員に対しての反応はまちまちで、飼育員が近づくと激しく突いてくる者もいる。また、エサは現在、シシャモとホッケを与えており、好き嫌いがはっきりしているタイプもいれば、あまりないタイプなど、こちらもさまざまだ。
中には特殊な行動を取るタイプも。(大きくなった巣立ち直前の)ヒナで、なぜか飼育員の股の間に挟まってくることがあった。そのヒナは大人に成長した現在でも季節によって、挟まってくるそう。親と勘違い?飼育員に恋?をしているのかもしれない。
「生き物を飼育している中で一つの目標が、その生き物の繁殖です。そのため、卵が産卵され、無事にヒナがふ化し、大きくなるのを見られることが一番の喜び」と森本さん。1年に1回の繁殖期に向けて状態を整えるため、1年間適切に飼育し、ペアリング、卵の管理、ヒナの観察・ケアと一日一日の積み重ねが大変で大切なだけに、報われたときの喜びは大きい。
愛情深く大切に育てられているオウサマペンギン。性格の違う一羽一羽を眺めるだけで、時のたつのも忘れてしまうだろう。