まるでホームドラマ!?大人気のゴリラ一家は個性派ぞろい 希少な4頭が京都でにぎやかに

中江 寿 中江 寿
モモタロウ(提供・京都市動物園)
モモタロウ(提供・京都市動物園)

 どこが人間味のある表情がたまらない。京都市内にある京都市動物園のニシゴリラは少し怖がりな父・モモタロウ(22歳)、肝が据わった母・ゲンキ(36歳)、気が優しい兄・ゲンタロウ(11歳)、要領のいい弟・キンタロウ(4歳)の4頭で暮らしている。

 現在、日本の動物園ではゴリラは20頭しかおらず、大人と子供が同居して観賞できるのは3園だけ。希少動物でもあり、全国各地からファンが訪れる。

 飼育担当の安井早紀さんによると、モモタロウはひときわ大きく筋肉ムキムキで、大人のオスの証しである銀白色の背中(シルバーバック)も立派で父親の威厳を示すが、見た目と違う一面もあるという。施設内の掃除など作業をする際に見慣れない器具などが目に触れると、警戒して怒るなど繊細さを併せ持つ。

 ゲンキはここで生まれ、1997年6月から99年11月まで東京の上野動物園に貸出していた。違う環境で暮らしてきたこともあり、少々のことで驚くことはない。むしろ、周囲の空気を読んで動くとのこと。また、母性が強く、子育てに関してはモモタロウにも口出しはさせない。

 ゲンタロウは勝手にエサを食べてモモタロウに怒られると、すぐにシュンとしてしまう。また弟思いで、遊ぶときは力を加減してあげるなど優しいお兄ちゃん。一方のキンタロウは気が強く、周りの様子をうかがいながらエサをいただく。自己主張をしても、まだ子供だからと父親から甘やかされている部分もあるそうで、末っ子気質なのかもしれない。

 まるで一昔前にあったホームドラマに出てきそうな家族構成。両親がどっしりと構え、子供が元気にはしゃいでいる姿は人間と変わらない。安井さんも「子供たちの成長が見られるのがうれしいです」と、子を見守る母のようにほほ笑んだ。

 じっくりと見ていれば、いろいろなゴリラたちの表情を見て取れる。間近で見れば温かい気持ちになり、家族愛に触れて、ファンになることは間違いない。

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