愛くるしさの陰に秘められた野性の血 ギャップの大きさが魅力のスナネコ

中江 寿 中江 寿
愛くるしい姿のスナネコ
愛くるしい姿のスナネコ

 ギャップが大きければ大きいほど引きつけられるもの。神戸市にある「神戸どうぶつ王国」のスナネコは、体長約40センチと小柄で愛くるしい姿が人気だ。現在、ムスタ(オス、推定3歳)、バリー(メス、推定3歳)、2匹の間に昨年2月に誕生したジウとロカの娘、合計4匹が飼育されている。ムスタとバリーは2020年3月の公開当時から大の仲良しで、これまで3回繁殖に成功した。

 人気の理由について担当の馬場瑞季さんは「カワイイ見た目ながらも、声が低く、人に慣れないギャップですかね」と話す。取材当日も動き回る姿に来場者からは黄色い歓声が上がり、多くがスマホで写真に収めていた。

 ただ、家庭で飼われている〝家ネコ〟とは違い、野性の血が濃く流れている。「身体検査や異常などがあって、直接触れる場合は細心の注意を払いますね。〝シャーッ〟と威嚇しますし、見た目と違って爪も歯も鋭いので、かまれたりしたら大けがをしますので」。分厚い革手袋を装備するなど、場合によっては緊迫することもあるという。気性も荒く、ペットとして飼うのはやめた方が賢明だ。

 それでも、かわいい姿、動きに自然と引きつけられてしまう。アフリカ北部、西アジア、中央アジアなどの砂漠地帯が生息地。馬場さんは「厳しい環境にいますので、耳の穴は砂が入らないように、足の裏の肉球も(灼熱から守るため)長い毛で覆われています。そういう体のつくりも見てもらえれば」と見どころを教えてくれた。

 かわいいだけじゃないスナネコ。じっくり観察することで新たな発見がありそうだ。

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