先日、東京ビッグサイトで格闘ゲームの世界的総合大会「EVO JAPAN2023」が開催された。
同大会には3日間で選手・観客含め3万5000人が来場。「ストリートファイターV」や「鉄拳7」と言った、eスポーツを代表するタイトルの世界一決定戦や、サイドトーナメントとして有志で募った旧作、レアタイトルの大会が繰り広げられた。
プロゲーマーとして勝利を掴もうとする選手、プロに引けを取らない実力を持ち、頂点を目指すアマチュア選手、プレイ人口は少ないが猛者揃いのレアタイトルの王者決定戦など、様々な熱戦のドラマ。そんな同イベントのメインタイトルでもある「ギルティギア:ストライブ」に、ひと際注目を浴びた選手がいた。
並み居るプロゲーマー、古参のレジェンド強豪をなぎ倒し、ウィナーズサイドにてTOP8入りを果たしたぽか選手だ。ファイナルの壇上に現れた彼は何と学ラン姿。そう、彼は弱冠14歳。現役の中学生格闘ゲーマーなのだ。
格闘ゲームは反応速度を要する競技のため若手の方が有利だと言われるが、シリーズものが多いのでプレイや練習に費やした時間や経験値が強さに直結する部分も大きい。10年以上もトップとして界隈を牽引している選手も居る中で、若手中学生の大物食いに配信コメント欄やSNSは大いに盛り上がった。
さながら、格闘ゲーム界の藤井聡太竜王の様な快進撃を続けたぽか選手。ファイナルで韓国の強豪Daru-I-NO選手に敗北し5位タイと言う結果となったが、1400人の参加者の中で5位と言う順位は、充分過ぎる結果だろう。
試合直後のぽか選手にお話を聞いた。
橋本ダイスケ(以下、橋本):まずはEVO JAPAN、お疲れ様でした!5位タイと言う素晴らしい記録でしたね!今回のEVOでの熱戦の数々、印象深かった試合はありましたか?
ぽか:ありがとうございます!やはり自分的にはDaru-I-NOさんとの試合が一番手に汗握った試合でしたが、その前のにのまえさん、つちやさん、二代目幻影人さんとの試合、どれも全て印象深かったです!
橋本:私も配信で観ていましたが、どれも熱狂的な試合でした。ぽか選手は14歳と言う若さでの素晴らしい活躍ですが、格闘ゲーム歴は何年程なのでしょうか?
ぽか:格闘ゲーム歴は1年です!去年の2月辺りに始めたので!
橋本:えぇ!?たった1年で1400人中5位になる程まで強くなったんですか!?才能溢れますね……。初めからギルティギアを遊んでいたのでしょうか?
ぽか:初めて遊んだ格闘ゲームはストリートファイターVでしたが、15日も遊ばなかったと思います(笑)
橋本:15日でシフトチェンジしちゃったんですね(笑)。正装で行くと意気込んで、学ランでの登場に驚きましたが、どの様な心境で学ランを選んだのでしょうか?
ぽか:学ランでの登場は、自分が初めて参加させて頂いた大きな大会が「いいすぽ!」というフジテレビの番組で、その時の服装が制服だったので、今も気合が入る正装として使っていますね!
橋本:スーツが社会人の戦闘服な様に、ぽか選手には学ランが戦闘服な訳ですね!これ程の実力があれば、やはり将来の夢はプロゲーマーでしょうか?
ぽか:プロゲーマーはそこまで目指していないです!ゲームはやりたい時にやるのが一番なので!
橋本:あくまで仕事では無く趣味で行きたいという事ですね!そうなると、普段中学校ではどの様に過ごしてるのでしょうか?
ぽか:普段中学校では、結構やんちゃに過ごしてしまっています…やはり前日にゲームなどに集中してしまっていると寝坊することが多いので、そこは気を付けたいです!
橋本:学生の本分を守りつつですね。素晴らしい心構えですね。我々大人も呑み過ぎで寝坊したりしない様に気を付けます(笑)。
最後に、今後の意気込み等があれば、お教えください。
ぽか:格ゲーをガチでやるのは6月や気が向いたらかもしれませんが、色んな人や自分と同年代の人達がもっと格ゲーをやりやすくなるよう、頑張っていこうかなと思います!
◇ ◇
礼儀正しく、無邪気に語るぽか選手。そこには画面内で強豪を圧倒する姿は無く、歳相応を少年の姿があった。この先、彼には高校受験等の大きなイベントが待ち構えているが、これからも学業と格ゲーを両立させ、ギルティギア界隈やeスポーツ界隈に新たな旋風を巻き起こしてもらいたい。
今後も格闘ゲーム界ではぽか選手の様な若手選手が次々と現れてくるだろう。格闘ゲーム黎明期を生きていた年代にとっては世代交代の時期が迫っているのかもしれないが、年齢性別関係なく競う事が出来るのがeスポーツ。古参選手も若手選手も互いに切磋琢磨して、eスポーツを発展させていって欲しいものだ。