2021年の年の瀬……コロナ禍が続く中ではあるが感染症対策を徹底しつつ、この暗い雰囲気を吹き飛ばさんと、全国で熱狂的なイベントが数多開催された。大分県大分市の大分駅前にて開催された「ふないクラシックモーターショー2021」もその一つ。
2020年に始まった「ふないクラシックモーターショー」。歴代の名車と呼ばれるクラシックカーの展示を中心にさまざまな催しがあるのだが、中でも注目すべきは「湯劇’21」。様々な対戦ゲームでトーナメントを行うe-スポーツ大会だ。
クラシックモーターショーとe-スポーツとなれば開催タイトルは「グランツーリスモ」の様なレースゲームだろう。ふないクラシックモーターショーのメインアートも、かの名作「リッジレーサー」を模したデザインとなっている。そうに違いない。
しかしその実態はガチガチの対戦ゲーム祭り。「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」、「ぷよぷよテトリス」、「ストリートファイター5」と、今をときめく人気タイトルがズラリ。中でも異彩を放つタイトルが、1993年に稼働し今なお熱狂的なファンを持つ格闘ゲーム「餓狼伝説SPECIAL」。
今回の大会はメーカーのSNKが公認とのことで注目度も高かった。近年の"ガロスぺ"事情について大会優勝者のチャーミングさんにお話を聞いた。
橋本:優勝おめでとうございます。今回の大会はどの様にして開催を知る事になりましたか?
チャーミング:ありがとうございます。今回の大会は2021年9月に一心寺(大分県)で開催された、餓狼伝説SPECIAL大会の主催者に知らされました。
橋本:今大会以外にも大会は行われているんですね。大分(九州)ではガロスぺは盛んなタイトルなのでしょうか?
チャーミング:大分県では2回目の開催なので、大分に限定するとガロスぺ事情はわかりかねますが、新型コロナウイルスによる自粛期間前は、福岡県のゲームセンター(ジーカム和白店、G-stage七隈店)では対戦会、大会が盛んに行われています。遠征勢も多く来店しているので、九州では盛んなタイトルだと考えています。
橋本:なるほど、遠征勢が来る程にも注目されているタイトルなんですね。大会で優勝なさる程ですので、長年続けていらっしゃるのでしょうか?また、ガロスぺの魅力とは一体どこだと思われますか?
チャーミング:2015年に高田馬場ゲーセンミカドで開催された「餓狼伝説SPECIAL世界大会」の動画に衝撃を受けてプレイを始めました。このゲームはシンプルなシステムでありながら、約30年が経った今でも新たな攻防が見つかり続けています。昨今の格闘ゲームに比べるとスピードがゆっくりで必殺技の数も多くないので、今から始める初心者の方でも手軽に始める事が出来るゲームだと思います。そこが大きな魅力のひとつであると思いますね。
橋本:昨今の格闘ゲームは複雑化していて敷居が高いと言うのはよく聞きますね。他のタイトルもプレイされるのでしょうか?
チャーミング:「THE KING OF FIGHTERS」シリーズが好きでよくプレイしますね。最新作のXVの発売も楽しみです。
橋本:「KOF」には餓狼伝説のキャラも多く登場しているので、ガロスぺに通ずるモノがあるんですね。現在、関東関西を中心に盛り上がりを見せるガロスぺですが、今後も盛り上がりそうでしょうか?
チャーミング:関東関西以外では北海道、青森、新潟、愛知、広島、岡山、福岡などの多くの地域で対戦会・大会が行われているようです。元々人気のある長寿タイトルで、多くの潜在的プレイヤーが全国各地に居ると聞いています。もっと対戦会等が盛んに行われる地域が増えていく可能性はありますし、今後も盛り上がっていく可能性は十分にあると思いますね。
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コロナ禍においても、オンライン大会が開催されるなど注目を浴び続けるe-スポーツ。最新タイトルに目が行きがちだが、ガロスぺ等の旧タイトルの盛り上がりも今なお健在のようだ。
年末に開催された「獣道」では、スーパーストリートファイター2Xにて熱い試合が展開され、格闘ゲーム界隈では大きな話題ともなっていた。いつか、旧タイトルばかりを集めた、ベテラン勢のための世界的なe-スポーツ大会開催もありうるかも知れない。今後も、ガロスぺを始めとした、長寿格闘ゲームからは目が離せない。