ギャンブル場での楽しみのひとつに「グルメ」がある。予想が当たってもうかれば味も一層おいしく感じられ、負けが込んでいてもパワー補充でいただく。各場に名物があり、それぞれ個人的にお目当ての一品もあることだろう。「よろず~ニュース」では、全国の公営レース場から、そんな『勝負メシ』を紹介していく。
和歌山県のご当地グルメと言えば「和歌山ラーメン」。各店舗がしのぎを削り、行列ができる人気店も数多くある。和歌山市の「和歌山競輪場」でも、その味を堪能できるのだ。
場内唯一の食堂「森本屋」で販売される「和歌山ラーメン」(700円・税込み)は、森本博明店長(58)がこだわり抜いた一品だ。「何種類の中から自分が選んだ」という業者から提供される2種類の「返し」(タレ)をブレンドをしたものに、自家製スープを混ぜる。麺も「レースの合間にお客さんが食べるから」と早くゆで上がるようにと、和歌山ラーメンの製麺所に特注した細麺を使用している。
チャーシュー、かまぼこ、メンマ、ネギの具材も同じ。仕入れてたメンマはさらに口当たり良くするため手で細くさき、ネギも近所の農園から新鮮でおいしいネギを手に入れている。
一番のこだわりは水だ。現役アスリートも愛用する浄水器「超水」を使用。森本店長が「全然違いますね」と言うように、臭みは全くなく、本当に飲みやすくておいしかった。
いざ、実食。見た目ほどこってり感はなく、スープは飲みやすい。麺も細いからなのか、のどごしが良くスルッと入っていく。メンマもやわらかく、チャーシューも食べやすい。街中にあっても人気店になることは間違いないだろう。「ちょっとした工夫ですよ」と詳細は明かさないが、その笑みからは味に対する自信がうかがえた。
高校を卒業後に料理人の道へ進むと、約30年前に和歌山競輪場で、うどん、そばをメインにした出店をスポットで構え、約10年前に食堂として営業を始めた。他にも整骨院、空手道場を開き、そこでウエイトリフティングも教えている。料理の世界に入った理由は「コックなら食うに困らないと思った」と笑った。
「場外発売で(和歌山競輪場に)来るのもいいけど、やっぱり実物を見てもらいたいね。スピード、車輪の音、選手の駆け引きとか…。スポーツ競技だからね」と競輪の魅力をアピールしながら「その時に店で一服、一休みしてくれたら」と語った。
営業時間は開催中、または場外発売が行われている10時から15時。勝負の合間に本場の味を堪能して、パワーチャージをするのもいいのでは。
◆和歌山競輪場 和歌山県和歌山市5筋目10の1 南海本線和歌山市駅から徒歩約8分。