志摩スペイン村、人気VTuberの影響でチュロスの売り上げが6倍超 雑談配信からついにコラボへ

松田 和城 松田 和城

 三重県志摩市の複合リゾート施設「志摩スペイン村」が、「にじさんじ」所属のVTuber「周央(すおう)サンゴ」を「志摩スペイン村バーチャルアンバサダー」に任命。テーマパークとホテル志摩スペイン村でのコラボイベントを、2023年2月11日から4月2日まで開催することを発表した。

 21年12月に周央が自身のYouTubeチャンネルで、同施設の魅力を語った雑談配信をきっかけに交流が生まれコラボが実現。志摩スペイン村公式ツイッターには「ついにがっつりコラボしてて草」「全力でのっかるスタイルすこ」「スペイン村史上最大の宣伝効果を生んだ雑談をした女」などの反応が寄せられている。

 今年5月「志摩スペイン村」が突如話題となった。事の発端は5月7日に周央が行った雑談配信「おつかれさんご第62回」。周央は同施設を「スペインをテーマにしたとってもすてきな面白いテーマパーク」と前置きした上、「メインのアトラクションで1分も並びませんでした」「本当に人がいなかった」と来館した際のネガティブエピソードを交えながら〝志摩スペイン村愛〟を21年12月以来、再度語った。16日夜、切り抜き動画がツイッターにアップされ話題に。16日から17日にかけて同施設名がトレンド入りし、17日未明にかけて、公式サイトにつながりにくくなるほどの盛り上がり。数日間で志摩スペイン村の公式ツイッターのフォロワー数は約7000人増加し1.5倍の約2万1000人になった(現在は約6万1000人)。

 志摩スペイン村の広報担当者によると、5月以降も影響力は大きかったよう。周央が配信内で「今まで食べた中で一番うまい」と熱弁したチュロスの売り上げが、2021年と比較して約6.5倍になったという。利用者数に関しては、2021年に対して増加しているが、新型コロナウイルスの感染状況や全国旅行支援などの影響が大きいといい、4月から11月の利用者数はコロナ前の19年に対して約9割程の状況。徐々にコロナ前の水準に戻りつつあるとした。

 8月には企業案件として、周央が施設を周りながらレポートする動画を公開。再生数は104万回を超え、大きな反響があった。担当者は「周央さんはいつも志摩スペイン村の魅力を率直に、また愛をたっぷり込めて伝えてくださっています。引き続き、新たな試みを進められればということで、さらにインターネットの世界を飛び越えて、リアル(園内)でのコラボイベントを実施するに至りました」と説明した。

 周央が配信で熱弁したスポット「周央サンゴゆかりの地」をめぐるスタンプラリーや「周央サンゴのtastyチュロサンデー」(800円)などコラボメニューの販売、映像館「カンブロン劇場」で周央の副音声が加わったアニメーション「周央サンゴと見る空とぶドンキホーテ」が上映されるなど、さまざまなコラボ企画が予定されている。担当者は「どのコラボについても、周央さんご本人がチェックしてくださっていて、アイデアもたくさん出してくださっていてます。また、周央さんのファンだけでなく、志摩スペイン村のファンにとっても楽しんでもらえるようにと考えてくれています」と自信を見せた。

 コラボイベント開催決定をつづったツイートは27日の投稿以降、4万リツイート、7万6000以上の「いいね」がつく大反響。周央やスペイン村ファンたちから喜びの声が届いたという。担当者は「『おめでとう!』『行かなきゃ!』『早速ホテル予約した!』などのツイートをたくさんしていただいていて、とてもうれしく思います。周央さんのファンや、今まで志摩スペイン村に訪れたことがない方々に喜んでいただけるようなイベントにできればと考えています。今まで周央さんが配信で語ってくれた『周央サンゴさんゆかりの地』に実際に訪れて、チュロスを食べたり、勝利確定BGMを浴びたりして、周央さんと同じ体験を楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。

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