ゴッホやムンクら美術界の巨匠の「生まれ変わり」が名画をプレゼンするアニメ「セブンボイスミュージアム~名画と 7 人の巨匠たち~」が来年1月8日からサンテレビで放送される(日曜、深夜0・00。全11回予定)。人気声優の蒼井翔太や佐藤拓也が主要キャラクター担当。徳島県・大塚国際美術館のスタッフが発案した異例の企画に、ネットは「情報量多いしやることが凄い」「大塚国際美術館なにがあったの??」とざわついている。
西洋絵画の巨匠の生まれ変わりである7人の学芸員が”推し名画”を紹介し、人気ナンバーワン名画に選ばれるべく競い合う物語。キャラクターのビジュアルデザインや設定、ストーリーなどすべての原案を大塚国際美術館のスタッフが考えた。
キャラクターには画家と音が近い名前や、画家のエピソードに由来する名前がつけられた。フィンセント・ファン・ゴッホは「藤田業穂(ふじた・ごうほ)」、グスタフ・クリムトは「山側利夢斗(やまがわ・りむと)」。エドヴァルド・ムンクは無口な性格だったことから「原田無口(はらだ・むく)」、ヤン・フェルメールは光の魔術師と呼ばれることから「荒田ひかり(あらた・ひかり)」に生まれ変わった。
キャラクターの衣装にも美術館発ならではのこだわりがある。「荒田ひかり」は、大きなえりがトレードマーク。キャラクターデザインを担当した同館の荒田千鶴さんは、「フェルメールが生きていた時代は男性がおしゃれなえりをつけることがはやっていた。フェルメールが亡くなった時もつけ襟が残っていたんです。もし現代に生きていたらつけ襟文化を楽しんでいるかなという妄想で。歴史の面も考えてつけてみました」と説明した。レオナルド・ダ・ヴィンチがモデルの「木村レオ」が身につける紫色の帽子とインナーは、ダ・ヴィンチが帽子や紫色のマントを好んで着ていたエピソードをもとにしたという。
名画家が転生するストーリー設定は「画家たちが現代に現れたら面白いなというスタッフの妄想からスタートしました」(荒田さん)。蒼井翔太が荒田ひかりを、佐藤拓也が原田無口など人気声優の起用についは、アニメ好きの同館スタッフがキャラに合う声を考え依頼したと明かした。
プロジェクト担当の山側千紘さんは「西洋絵画はなんとなく難しいとか、敷居が高いイメージがあると思う」と話し、「楽しんで学んでほしいという思いが強いので設定にも楽しい要素を入れた」と胸を張る。
世界26カ国の美術館が所蔵する西洋名画約1000点を陶板に再現し展示する同館は例年、来場者アンケートで人気作品を選出していたが、コロナ禍で直近3年間は中止に。今回のアニメ内で人気名画ナンバーワンを決める「名画―1グランプリ」を開き、リアルでも館内とインターネットで投票企画を復活させる予定だ。1月21日からは館内で、アニメ出演声優7人による音声ガイドサービスも開始する。山側さんは「ぜひ熱い一票を」と呼びかけた。
投票期間は1月21日から5月7日まで。アニメはテレビ放送後YouTubeでも配信予定。