日本全国に実在するおかしな英語の看板や標識を集めて展示する「おかしな英語美術館」が29日から東京・渋谷のUltraSuperNew Galleryで開催される。28日にメディア向けの内覧会が行われた。
展示会では、おかしな英語看板のレプリカ16点が正しい英語と共に並ぶ。「手を叩く、拍手」を意味する英語は「clap your hands」だが、会場で展示されたTシャツの正面には「crap your hands」の文字。和訳すると「手にうんこ」で、なんとも恥ずかしい。「l」と「r」のたった1文字を間違えただけで意味が大きく変わってしまった。
主催社で、無料語学アプリ「Duolingo」を提供するDuolingo,Inc
の日本カントリーマネージャー・水谷翔氏は、マーケット調査から浮かんだ傾向として、日本人は間違いを過度に恐れる傾向があると指摘する。「間違えることが語学学習上達へのカギ。間違いだって楽しいよっていうのを伝えて、語学学習に興味を持っていただければと思い、開催に至った」と説明した。
日本語→英語への翻訳ツールを使用した際の誤訳も少なくない。2例を紹介する。
【1】バイキングレストランでの注意書き。「Only the person who ordered a buffet is eaten」→「ビュッフェを注文した人のみが食べられます」ことを伝えたかったが、「ビュッフェを注文した人のみが、食べられてしまいます」という意味に。できる、可能を意味する「られる」がAIで受け身と捉えられてしまった。正しい英語は「The buffet is exclusive to those who ordered the buffet course.」
【2】家具屋での注意書き。「Please do not get nervous on a tatami mat.」→「畳の上に上がらないでください」と伝えたかったが「畳の上で緊張しないでください」の意味に。「上がらないでください」が、緊張時に上がってしまうというニュアンスでAIに捉えられてしまった。正しい英語は「Please do not step on the tatami mat.」
これらの対策として水谷氏は、知識を身に着けることを前提とした上で「ツールを使用する際は、誰が何をしたのかを明示する。述語と主語があまりにも開いていると翻訳がずれたりするので、文を短くして翻訳ツールに入れていくとミスが起こりづらい」と話した。
展覧会は12月7日まで開催予定で、入館料は無料。