「プロレス・スターダム」(23日、アリーナ立川立飛)
タレントで人気ユーチューバーのフワちゃん(28)が、女子プロレス団体「スターダム」でプロレスデビューを果たした。葉月(25)とのタッグで、上谷沙弥(25)、妃南(ひな、15)組と対戦。最後は14分29秒、上谷のファイヤーバードスプラッシュに敗れたが、豪快な卍固め、ブレーンバスターを出すなど5カ月間のプロレス特訓の成果を見せつけた。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」(日曜後9・0)の企画でマットに足を踏み入れたが、試合後に「プロレスラーに本当になりたいと思った。もう一回やらせてほしい」と継続参戦を宣言した。
本気だった。リングに上がる緊張した面持ち、試合後くしゃくしゃになった表情がプロレスにかける真剣さをにじませた。テレビ番組の挑戦企画ながら、バラエティー番組で見せるおふざけも封印。「プロレスは技じゃなくて気持ちなんだ。正真正銘、一生懸命プロレスに向き合った」と語気を強めた。
ワンダー・オブ・スターダム王者で、元バイトAKBのメンバーだった上谷とにらみ合ったフワちゃん。知名度では勝るが、リング上では存分に力の差を見せつけられた。ニールキックや二段蹴りを浴び、苦痛で顔をゆがませる。バラエティー番組やYouTubeでは決して映らないシーンが、観客の前で繰り広げられた。
5カ月にわたるプロレス特訓の成果を見せた。卓越した運動能力を生かしたドロップキック、卍固めで意地を見せた。最後は、上谷の火の鳥スプラッシュに沈んだフワちゃん。「頭も首も腰も、ネイルの先まで痛いくらい。泣きそうだけど泣かないよ。プロレス大好きです!」と絶叫した。
9・11横浜武道館大会のリングで「もう後戻りできないぞ」と参戦表明。〝スターダムのアイコン〟岩谷麻優(29)率いるユニット・スターズの下で週3回、道場で指導を受けたほか、生放送中にもトレーニングに励んでいたという。
スターダムから芸能人がプロレスデビューするのは鈴木奈々、脊山麻理子に続き3人目。テレビ番組の企画とあってか、現役レスラーからもフワちゃんのプロレス挑戦に異を唱え「プロレスなめんじゃねえぞ」などの声が渦巻いた。ひたむきな姿に辛らつな声も徐々に薄れていった。
上谷は「フワちゃんは立派なプロレスラーだよ。できると思ったから、おめでとうの意味を込めてファイヤーバードスプラッシュを出した」と、フワちゃんをプロレスラーとして認めた。現役女子高生レスラーの妃南も「あした学校だから、フワちゃんは強かったとみんなに言っておく」と健闘をたたえた。
フワちゃんのプロレス挑戦の軌跡は、30日放送の「行列―」で放送される。同団体の企画はひとまず終了したが「負けていいお話に編集されて、これで終わりじゃ嫌です。大人達に意見を仰がないといけないけれど…」と志願した。
解説席にはくりぃむしちゅーの有田哲平(51)が、観客席では指原莉乃(29)が見守った。15社30人の報道陣が集まった華々しいデビュー戦。有田からノアの2005年7・18東京ドーム大会のは小橋建太―佐々木健介戦の映像を見るよう勧められたといい「魂を揺さぶられた。小橋―健介戦のような、本気でいかせてくれる人と伝説の試合がしたい。プロレスの歴史に名を刻んじゃおうかな~」と、すでにレスラー口調になっていた。