Red Velvet(レッドベルベット)のメンバー・スルギが、10月4日に1stソロミニアルバム「28 Reasons」をリリースした。翌日には、彼女の所属事務所であるSMエンターテインメントが、30カ国のiTunesトップアルバムチャートで「28 Reasons」が1位を獲得したことを発表。韓国では、国内最大販売集計サイトHANTEOチャートをはじめ、HOT TRACKS、YES24などの主要アルバムチャートでもトップの座を手にし、スルギのソロデビューは華やかに幕を開けた。
今後、どのような活躍を繰り広げるのか注目されているが、スルギといえば、優れた人間性に度々スポットが当てられている。
K-POP界の中でも努力家として有名で、人格者であることが知られている。
それが大衆に広く知られるようになったのは、約2年前のこと。スタイリスト兼ファッションエディターのA氏が、自身のSNSアカウントで、過去に仕事をした芸能人から受けたパワハラについて書き込んだことがきかっけだった。
当事者の名前は明かさなかったものの、#psycho #monsterというハッシュタグを文末に付けており、「#psycho」はRed Velvetの曲名であり「#monster」がアイリーンとスルギがユニット活動をした時の曲名だったことから、疑惑の目は自然と2人に向けられる。
ネット上では一時、スルギが問題の張本人ではないかと疑心を抱く人もいた。
しかしA氏の投稿があった翌日、アイリーンが自身のインスタグラムで謝罪したことにより、疑念が晴れることに。
当時、スルギを疑ったことに申し訳なさを感じた人が大勢いたのか、以降、彼女の美談やアイドルとしての意識の高さなどが主にネット上で取り上げられるようになっていく。
その1つは、中学生時代にさかのぼる。
韓国のオンラインコミュニティーに書き込まれた内容によると、投稿者が小学生の頃、スルギにたい焼きをもらったという。
お小遣いを使い果たしてしまい、友達が食べているのを横で見ているしかなかった時、面識のない中学生がやってきて、「たい焼きを買ったんだけど、たくさんありすぎるから食べてくれない?」と言い、分けてくれたのだとか。
投稿者は、後にスルギがアイドルになった姿を見て、“あの時の中学生”であることに気付き、スルギがラジオ番組に出演したら、このエピソードを絶対に送ろうと胸にしまっていたそうだ。
この他にも、ファンの間で語り継がれている、Red Velvetの寮に関する逸話も熱い視線を浴びた。
それは、2020年1月にメンバーのジョイが、KBS2の人気トーク番組『ハッピー・トゥギャザー4』に出演して明かしたもの。
Red Velvetはメンバーが5人に対し、寮には部屋が4つしかなかった。するとスルギは、自ら申し出て物置きを自分の部屋にしたのだという。
この番組を観たファンから、心配の声が寄せられると、スルギはYouTubeの公式チャンネルで「特に不便に思っていない」と説明。自身を応援してくれる人たちへの配慮も忘れなかった。
さらに、同僚のアイドルへの温かな心遣いも話題となったことがある。
MBCバラエティー『K-POPアイドルスタースポーツ選手権2019 秋夕』の時だ。当時、IZ*ONE(アイズワン)のメンバーだったチャン・ウォニョンに、携帯扇風機を当ててあげる思いやりある姿がキャッチされた。
またMAMAMOO(ママム)のメンバー、ムンビョルはスルギと一緒にいるとハッピーになることから、彼女を“幸せ”というニックネームで呼んでいるのだとか。
裏を返せば、スルギがムンビョルに対し、それだけ優しさを持って接しているということだろう。
パワハラ疑惑で、一時は複雑な思いを抱えたであろうスルギだが、それが契機となり彼女に関する美談の数々が拡散された。
まさに、“災い転じて福となす”という体験をしたのだった。
(構成:西谷瀬里)