ソ・イングクとチャン・ドンユンの出演映画『オオカミ狩り(原題)』が、9月21日に韓国で封切りされた。
9月27日に発表された結果では、ヒョンビン主演の『共助2:インターナショナル』に次いで、韓国国内のボックスオフィス2位の座を獲得、好調な滑り出しを見せている。
それもそのはず、数々のロマンス作品で世の女性を虜にしてきたソ・イングクが、初の悪役に挑戦しているのだ。
気になるストーリーは、インターポール(国際刑事警察機構)も諦めたほどの極悪非道な犯罪者たちを、太平洋の真ん中から韓国まで、3日以内に移送しなければならないミッションを描いている。
これまでに見たことのない、極限の状況下で生存ゲームが繰り広げられる、ハードボイルドサバイバルアクションだ。
ソ・イングクは、インターポール1級の指名手配犯ジョンドゥ役を務め、ゲームをするように殺人を犯し、死にゆく人に再び刃物を突き刺しても何の感情も抱かない、狂気に満ちた犯罪者に扮し、カリスマ溢れる姿が話題に。
中でも彼の持つ強烈な眼差しが、冷酷なキャラクターを見事に描き出していると、注目を浴びた。
しかし彼にとって、この“目”がコンプレックスであったのをご存じだろうか。現在は“それが自身の持ち味”と、プラスに捉えているようだが、以前は耳をふさぎたくなるような言葉をぶつけられてきたようだ。
それが明かされたのは、9月21日に映画の宣伝活動の一環として、SBSパワーFM『チェ・ファジョンのパワータイム』に出演した時のこと。
ソ・イングクは、幼い頃から「目つきが悪い」と、頻繁に言われてきたエピソードを告白。さらには“目つき”を理由に、先輩から呼び出されて暴力を振るわれたこともあったのだとか。
また、芸能界に入ってからも「(君は)その目つきのせいで、成功しないと思う」と面と向かって言う人もいたそうだ。
しかし現在は「時代の流れに乗れば、コンプレックスが武器になる」「皮肉なことだけど面白い」と、肯定的に受け止めるようになったという。
そして本人の発言通り『オオカミ狩り』では、演じる上で他者を圧倒するような雰囲気を与え、嫌いだった“目つき”が役作りに一役買っている。
映画を見た観客からは、「心臓が強い人のための映画」「今年一番クレイジーな映画」などといった声が上がり、好評を博す。
本作では、他出演陣の好演はもちろんだが、主人公を務めるソ・イングクの演技による功績は大きいだろう。
シャープな目を“コンプレックス”だと思っていた時代を乗り越え、いまや自身の“最大の特徴”として存分に活かしている。
『オオカミ狩り』はまだまだ公開したばかり。今後さらなる観客動員が期待されると同時に、初の悪役挑戦で、役者としての幅を広げたソ・イングクの活躍から、ますます目が離せなくなった。
(構成:西谷瀬里)