元TBSワシントン支局長でジャーナリストの山口敬之氏が、ツイッターで名誉を傷つけられたとして、れいわ新選組の大石晃子衆院議員を相手に880万円の損害賠償とツイートの削除、謝罪文の掲載などを求める訴訟を東京地裁に起こし、20日に第1回口頭弁論が開かれた。
山口氏側は、2019年12月19日に大石氏がつぶやいた「伊藤詩織さんに対して計画的な強姦を行った」「1億円超のスラップ訴訟を伊藤さんに仕掛けた、とことんまで人を暴力で屈服させようとする思い上がったクソ野郎」などのツイートが、名誉毀損にあたるとしている。大石氏側は「事実に誤りがない限り、論評は自由。いずれのツイートも公正な論評である」として、請求棄却を求めた。
山口氏から性被害を受け精神的苦痛を受けたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが損害賠償を求めた訴訟は7月、最高裁が山口氏の上告を退ける決定をし、332万円の損害賠償支払いを命じた1月の東京高裁判決が確定している。
初弁論に出廷後、代理人の佃克彦弁護士とともに国会内で会見した大石氏は「不当な訴え。性加害を行ったとことに関して反省というか、社会的にもっと知っていただき、性加害をしてはいけないんだよという当たり前のことを裁判を通じて世の中に訴えたい。こういった理不尽な強者による弱者に置かれている人を踏みにじるような行為が絶対に許せない」とした。佃弁護士は、伊藤詩織さんの裁判も担当。山口氏はこの日、出廷しなかった。
大石氏は「伊藤詩織さんをモチーフに、こういうことを訴えていくっていうことが、(伊藤さんが)望まれるのかということはすごく気にしている。蒸し返すっていうことに関しては、伊藤さんは望まないかもしれない」と話し、声を詰まらせる場面もあった。
夕刊紙のインタビュー記事をめぐり、大石氏は元大阪府知事の橋下徹氏からも名誉毀損で提訴されている。「理不尽というものをみんなの力で焼き尽くすっていうために、その一つの手段として国会議員をしている。どれだけ世の中の不正義を問えたのか、糺(ただ)したのかっていうのが私の獲得目標。二つの裁判を抱えていて、それを通じて〝この社会どう思いますか?〟と問うていくことは意味があること。一つのミッションとしてやり遂げたい」と闘志を燃やしていた。