女性記者が潜入!マッチンングアプリ使ったロマンス詐欺・結婚詐欺はあるのか?年収1億円のモデルさん登場

深月 ユリア 深月 ユリア
画像はイメージです(akaricream/stock.adobe.com)
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 近年、出会いの機会を作る「マッチングアプリ」の利用者が増えている。実際にパートナーとの関係を築くという意味で成果があった人がいる半面、詐欺被害も増えているという。ジャーナリストの深月ユリア氏がその実態を探るために潜入取材し、さらに対策を専門とする弁護士にマッチングサイト詐欺の手口を聞いた。

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 長引くコロナ禍によって「リアルに人と会いづらい」状況が続いていたが、男女間の恋活・婚活にも多大なる影響が及んでいる。合コンや出会い系パーティーも激減したことから、マッチングアプリで出会いを探す男女が増えているのだ。しかし、そういったアプリの利用者の中には、本来の恋活・婚活目的ではなく「早く結婚したい」という焦りにつけこんで、ロマンス詐欺・結婚詐欺を企む詐欺師たちがいる。

 8月27日、佐賀県警は「マッチンングサイトで知り合った男性に外国為替取引を勧誘され、1億円をだまし取られた」という詐欺容疑で40代の男を逮捕した。マッチンングサイトではプロフィールを偽ることが容易で、年収証明も偽造できるので、このような事件は氷山の一角である。筆者の周囲にも「マッチンングサイトで会った男性に借金の肩代わりをさせられて、払ったら音信不通になった」「不動産投資の勧誘をされて、代金を支払ったら、フラれた」という話を聞く。

 筆者がその実態をつかむために、とあるマッチンングサイトに潜入取材したところ、職業「会社経営、投資家」を自称し、年収が2000万円と記載している割に見かけがチャラチャラした人物がいた。いかにも怪しそうで、やり取りをしたところ、早速、「ここだけの話、俺に投資の先物情報をくれるすごい人物がいる」と、石油先物トレードの話をされた。きっと、誰にでも話しているのだろう。

 その他にも、仮想通貨の勧誘を行う怪しげな外国人やホストの勧誘もいた。また、職業「モデル」で「年収1億円」もいたが、1億も稼げるモデルなら既に誰もが知る著名人になっていることだろう。

 筆者は「詐欺に強い弁護士」として有名な弁護士法人「ワンピース法律事務所」の杉山雅浩弁護士に取材したところ、「ロマンス詐欺は増えていますね。特徴としては、(1)マッチンングサイトで、モデルであると思われるハイスペックの美男美女の写真を使うこと。(2)やり取りして、仲良くなったら投資の話をします。(3)自分にお金を預けたら運用して儲けさせてやるよ、と勧誘します。9割方、このパターンですね」という。マッチングサイト結婚詐欺師にだまされないためには「とにかく、お金を預けないこと。そもそも、マッチンングサイトでなぜ投資の話をするか、おかしいですよね」️と話す。

 消費者庁の若者向けのチェックシートによると以下のような心理傾向のある人がだまされやすいという。

 ・拝まれるようにお願いされると弱い。

 ・おだてに乗りやすい。

 ・自信たっぷりに言われると納得してしまう。

 ・素敵な異性からの誘いだと断れない。

 ・マスコミで取り上げられた商品はすぐ試したくなる。

 ・好きな有名人が勧める商品はすぐ試したくなる。

 ・新しいダイエット法や美容法にはすぐ飛びつく。

 ・専門家や肩書きがすごい人の意見には従ってしまう。

 ・無料だったり返金保証があるなら、いろいろ試してみたい。

 ・資格や能力アップにはお金を惜しまない。

 ・良いと思った募金には、すぐ応じている。

 ・欲しいものは多少のリスクがあっても手に入れる。

 ・どんな相手からの電話でも最後まで聞く。

 ・試着や試飲をしたために、つい買ってしまったことがある。

 真面目で情に流されやすく、純粋で善良な市民がだまされやすいということになるが、日本の現行法は詐欺を立証しにくく、民事裁判で勝訴しても被告に強制執行できる資産がないと、だまし取られた金は永久に戻らない。杉山弁護士の言うように「とにかく、お金を預けないこと」を徹底しよう。

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